木曜日, 6月 30, 2022

【後編】ケニア・タンザニアの「食文化・食生活」に迫る!700名に聞いたアンケート調査

株式会社ビィ・フォアードが運営するアフリカマーケットリサーチでは、ケニアとタンザニアのリサーチ会員に「食文化・食生活」に関するオンラインアンケートを実施しました。

世界各地で日本食ブームが巻き起こり、寿司やてんぷらなど日本食レストランが人気となっています。ケニアやタンザニアでも日本食レストランは数店舗存在しますが、利用者は現地に住む外国の駐在員や日本人が多く、現地の大衆向けではありません。アジアや欧米地域と比べて、アフリカでの日本食や外国料理への興味・関心は現状まだまだ低いと言えます。筆者がアフリカに滞在していた際、周りに「Sushi」を知っている現地の人は稀でしたし、「生の魚を食べるなんて気持ち悪すぎる!」という反応をされることが多く、日本食への馴染みは少ないものだと感じました。とはいえ、大都市では外国料理のレストランが徐々に増えてきています。今回の記事では、直近で食べた外国料理、外食や家の食事で重視すること、おすすめの調味料、冷凍食品や缶詰の利用状況を聞いた結果をまとめました。

前編:地元でポピュラーな料理と外食の頻度

後編:外国料理への反応、外食や家の食事で重視すること、人気の調味料、冷凍食品や缶詰の利用頻度

調査概要

調査方法:オンラインアンケートをメールで送信

調査期間:2022年3月10日 ~3月20日 調査対象者:ビィ・フォアードリサーチ会員 711名(ケニア:283名、タンザニア:428名)

外国料理への反応:保守的な人が多い

過去三か月以内に外食した食事の種類について、該当するものすべてを選んでもらいました。

ケニアでは、「東アフリカのローカルフード」を食した人が9割と最も多く、その次に多かった「イギリス料理」(11.7%)、「イタリア料理」(10.2%)、「アメリカ料理」(9.5%)に大きな差をつけました。「日本料理」を食べた人は3.2%でした。「その他」(4.2%)の中の回答としては、「アラブ料理」などがあげられました。

ケニアには、ケンタッキーフライドチキン、ドミノピザ、サブウェイ、バーガーキングなど、私たちもよく知る欧米のファーストフード店が進出しています。Kenchic Inn(ケンチックイン)という地元経営のフライドチキン店やPizza Innというアフリカ発のピザ店が低価格でフライドチキンやピザを提供していることで、ファーストフードは地元の人にも広く受け入れられ、文化として根付き始めている印象です。それでも、今回のアンケートで過去三か月以内に欧米料理を食べた人は1割程度だった結果を見ると、外国料理に関して保守的な人が多い傾向が伺えます。ちなみに、マクドナルドはアフリカではモロッコ、エジプト、南アフリカ、モーリシャスしか進出していません。

タンザニアでは、「東アフリカのローカルフード」を食した人が9割と最も多く、次いで、「アメリカ料理」(8.9%)、「インド料理」(7.7%)、「イギリス料理」(7.5%)という結果でした。ケニア同様に、ローカルフードがダントツで多く、外国料理を食べた割合はケニアよりもさらに低い結果となりました。タンザニアにはインド系やアラブ系のタンザニア人も多く、地元の定番料理であるチャパティやマンダジはインド由来のもので、ピラウもアラブ由来のものですが、外国料理ではなくローカルフードとして認識されています。「日本料理」を食べた人は2.6%でした。「その他」(4.4%)の回答としては、その他地域のアフリカ料理などがあげられました。

タンザニアにはケニアほど大手のファーストフードチェーンは展開していませんが、サブウェイとケンタッキーフライドチキンとピザハットが進出しています。その他のファーストフード店は個人経営のお店が多く、ローカルフードに比べると少しお値段が上がります。ケニア同様、ローカルフードの人気が高く、外国料理には保守的な人が依然多いようです。

外食で重視すること

続いて、外食で重視することを複数選択で聞きました。

ケニアでは、「味」が41.3%と最も多く、次いで「コスト」(41.0%)、「ユニークさ」(38.9%)、「時短」(36.7%)、「栄養」(30.4%)という結果でした。

男女別で見ると、女性は「味」「ユニークさ」「コスト」の次に、「新鮮さ」や「健康」への意識が高く、「伝統」や「量」は重視しない傾向にあります。男性は「コスト」「味」の次に「時短」を重視する人が多い結果となりました。

タンザニアでは、「時短」が42.5%と最も多く、次いで「味」(38.8%)、「コスト」(38.6%)、「ユニークさ」(34.1%)という結果でした。

男女別で見ると、女性は「味」の次に「ユニークさ」や「新鮮さ」を重視している人が多く、男性は「時短」「コスト」「味」を重視している人が多い結果となりました。

家での食事で重視すること

次に、家の食事で重視することを複数選択で聞きました。

ケニアでは、「コスト」が60.1%と最も多く、次いで「新鮮さ」(56.5%)、「栄養」(47.0%)、「健康」(36.7%)、「味」(36.0%)という結果でした。

男女別で見ると、女性は「新鮮さ」が69.0%と最も多く、次いで「コスト」「栄養」「健康」という結果でした。一方、男性は「コスト」が61.8%と最も多く、次いで「新鮮さ」「栄養」という結果でした。ケニアやタンザニアでは、家庭料理は女性が作ることがほとんどで、男性がキッチンに入ることは稀です。作り手である女性は「新鮮さ」「栄養」「健康」への意識が男性より高く、男性は女性に比べると「コスト」や「伝統・郷土の味」であることを重視する傾向があるようです。

タンザニアでは、「コスト」が50.2%と最も多く、次いで「伝統・郷土の味」(38.6%)、「新鮮さ」(36.2%)、「栄養」(34.8%)、「味」(34.1%)という結果でした。

男女別で見ると、作り手である女性は「新鮮さ」「栄養」「味」「健康」を重視しているのに対し、男性は「コスト」や「伝統・郷土の味」であることを重視している傾向がありました。

地元で受け入れられている人気の調味料

味付けにおすすめの調味料をあげてもらいました。

和食の定番調味料は、醤油、みりん、砂糖、味噌などがありますが、ケニアやタンザニアではどんな調味料が人気なのでしょうか?

おすすめの調味料として、以下のような調味料が多くあげられました。

・ショウガ

・にんにく

・カレー粉

・スパイスミックス、マサラミックス ・スパイス類 (カルダモン、コリアンダー、ターメリック、ブラックペッパー、シナモン、クミン、パプリカ、ナツメグ)

・チリ (ピリピリと呼ばれる唐辛子)

・ビリヤ二マサラ

・ピラウマサラ

・ココナッツミルク

・ライム

ケニアのモンバサや、タンザニアのダルエスサラームやザンジバルなどの沿岸エリアでは特に、その貿易の歴史からアラブやインドの影響が大きく、アラブ料理やインド料理によく使われるスパイス類の調味料が人気です。なかでもザンジバルは昔からスパイスの産地として有名で、地元産のスパイスミックスも多くスーパーマーケットに並びます。

おすすめ調味料のメーカー・ブランドとしては、以下のような名前があげられました。

・Royco (ロイコ):ユニリーバ・ケニアが販売するMchuzi Mix(シチュー用スパイスミックス)が人気。

Tropical Heat (トロピカルヒート):ケニア発の食品メーカー。東アフリカを中心に、スパイス類やポテトチップスなどを販売する。

・Simba Mbili (シンバンビリ):ケニア発のスパイスメーカー。カレー粉を中心に、様々なスパイスを東アフリカで販売。

Ajinomoto (味の素):日本発の味の素の名前もあげられました!小分け販売をすることで低価格を実現し、アフリカの地元料理にも利用されるようになり大成功している日本企業です。

・Knorr (クノール):ドイツ発の食品メーカー。ビーフコンソメやチキンコンソメが人気。

・Maggi (マギー):スイス発の食品ブランド(親会社はネスレ)。コンソメキューブが人気。

これらの調味料はスーパーマーケットのみならず、ローカルのキオスクなどでも販売されています。

冷凍食品や缶詰などの利用状況は?

次に、冷凍食品の利用頻度について聞きました。

ケニアでは、「ほぼ毎日」が24.4%と最も多く、次いで「冷凍食品は食べない」が18.7%という結果となり、冷凍食品を頻繁に使う派と全く使わない派に分かれました。週1回以上利用する人が半数ほどでした。以前行った家電の所有状況のアンケートで、ケニアの冷蔵庫の所有率は53.5%でした。冷凍食品を使う派と使わない派にわかれるのには、冷蔵庫を所有しない人が4割強いることも関係しているかもしれません。

タンザニアもケニアと同様に、「ほぼ毎日」が22.9%と最も多く、次いで「冷凍食品は食べない」が20.3%と二極化しました。週1回以上利用する人は、半数ほどでした。

年代別で見ると、20代と40代で冷凍食品を食べる頻度が多く、50代以上になると「冷凍食品は食べない」の割合が多くなる傾向があります。

最後に、缶詰を食べる頻度についても聞きました。

ケニアでは、「缶詰は食べない」が38.2%と最も多く、次いで「月1回以下」が16.3%という結果でした。冷凍食品と比べて、缶詰の食品にはあまり馴染みがない人が多いようです。

タンザニアでは、「缶詰は食べない」が29.0%と最も多く、次いで「ほぼ毎日」が17.3%という結果でした。馴染みがない人が多い一方で、ケニアと比較すると、週1回以上食べる人が4割に上るなど、馴染みのある人も一定数いるようです。

年代別で見ると、冷凍食品と同様に、50代以上は缶詰を食べない割合が多いですが、20代では馴染みがある人が多いようです。

まとめ

今回の記事では、ケニアやタンザニアのリサーチ会員の「外国料理への反応、外食や家の食事で重視すること、人気の調味料、冷凍食品や缶詰の利用頻度」についてご紹介しました。

前編もぜひご一読ください。

前編:地元でポピュラーな料理と外食の頻度

ビィ・フォアードでは、アフリカの消費者の生の声が聞けるアフリカリサーチサービスを行っております。上記以外にも様々なデータがありますので、ご興味のある方はこちらから無料で資料請求していただけます。

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<アンケート回答者データ>

ケニア対象者:283名

タンザニア対象者:428名

今村 蓉子
今村 蓉子
アフリカはじめ世界に月間1万2千台の中古車を輸出する㈱ビィ・フォア―ドのデジタルマーケティング部・チームマネージャー。 大学在学時にケニアを訪れた際、そのエネルギーに魅了され、アフリカに必ず戻ってくると心に決める。貿易会社を退職後、青年海外協力隊としてタンザニアの田舎でコミュニティー開発に携わる。 ビィ・フォアードでは、アフリカ各国で提携している現地エージェントの人材育成やシステム改善、アフリカ内陸国への輸送を行うデリバリーサービスの開拓、ビィ・フォアードの広告塔として世界各地で代理販売を行うビィ・フォアードサポーターズ(会員20万人)の立ち上げ、オンライン集客などに従事する。

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