日曜日, 4月 12, 2026

激変するアフリカの不動産市場:急速な都市化がもたらすビジネスチャンス

アフリカ各国では現在、都市化とインフラ整備が急ピッチで進み、不動産市場は大きな変革を迎えています。

現地で起きていることを理解するには、我が国の戦後の高度成長期をイメージすると分かりやすいでしょう。

まず、東京、大阪、名古屋などの大都市で、特に若い世代の人口が急増しました。それに伴い、電気、水道、鉄道、道路、物流といったインフラ整備や、郊外の住宅開発が進み、地価も上昇して不動産市場が急成長しました。

同様に、アフリカは現在人口増と経済成長の最中にあります。そのため、どの国でも大都市への人口集中が進み、不動産市場が急拡大しているのです。

本記事では、特にタンザニア、ザンビアの2国に焦点を当て、両国の不動産市場の最新トレンドを紹介します。

さらに、アフリカの不動産市場特有の課題解決に向けたビジネスモデルの紹介や、日系企業による現地不動産関連ビジネスへの進出事例にも触れていきます。

タンザニアの不動産市場

概況

まず、タンザニアという国の概況をご紹介します。

東アフリカ沿岸に位置し、国土面積は日本の約2.5倍。ウガンダ、ルワンダ、コンゴ民主共和国、ザンビアといった周辺の内陸国向け物流のハブとして発展しています。

人口は約6500万人(2024年、IMF調べ)でアフリカ5位を誇り、かつ平均年齢が10代と非常に若いため、2050年には倍以上の1億4000万人まで増える見込みです。また、政治的に不安定な国が多いアフリカでは珍しく、独立以来内戦やクーデターを経験しておらず、順調な経済発展を続けています。

なお、タンザニアの最新状況についてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、ご興味があればぜひご参照ください。
●アフリカビジネス注目国「タンザニア」|経済・人口・日系企業の進出状況を徹底解説

同国では現在、人口500万人を誇る最大都市ダルエスサラームを中心に不動産開発ブームが起きています。背景について詳しく説明していきましょう。

都市インフラ整備による不動産市場拡大

一つ目の要因は、鉄道インフラの整備です。

2024年、ダルエスサラームと内陸にある首都ドドマを結ぶ標準軌鉄道 (SGR)が開通しました。沿線エリアの利便性と資産価値が高まったことにより、沿線の各都市で不動産需要が急上昇しています。

二つ目は、ダルエスサラームの都市交通を支える高速バス(BRT)です。2016年に運行開始し、近年ではその路線ネットワークの拡大により郊外エリアの不動産価値が上昇しています。

タンザニア不動産市場の特徴

では、タンザニアの不動産ビジネスにはどういったトレンドがあるのでしょうか。

一つ目のキーワードは「ミクストユース(複合用途型)」です。

ダルエスサラームにおいては、深刻な交通渋滞や急速な人口増加に対応するため、オフィス、商業施設、高級住宅を統合したミクストユース(複合用途型)の不動産開発が盛んに行われています。

二つ目は、海外投資の急増です。

タンザニア投資センター(TIC)の統計によると、2024年の対内直接投資(FDI)は約65.6億ドル(前年の約4倍!)に達しました。特に不動産を含むプロジェクトの成長が著しく、UAEや中国資本による大型プロジェクトが進行中です。

課題

急成長の反面、タンザニアの不動産市場には現在幾つもの課題があります。

第一に、急増する住宅需要(年間20万戸)に対し、供給が追いついていません。特に低・中所得層向けの手頃な物件が不足しています。

次に、平均金利が15〜19%と非常に高いため個人向け住宅ローンの普及が進んでいません。タンザニア住宅ローン再融資会社の統計によると、2024年の市場規模は前年比12.3%増と成長しているものの、貸付残高はGDP比わずか0.40%に留まっています。

(なお、日本の場合は2025年時点で対GDP比約27〜30%と推計)

三つ目は土地の権利証(Title)の整備が進まず、住宅ローンの担保として認められないケースが多発していることです。これがローン金利が高くなる原因の一つにもなっています。

また、地区によっては治水が十分に行われておらず、洪水リスクが住宅の担保価値やローンの貸付けに影響するケースも発生しています。

ザンビアの不動産市場

次にザンビアの不動産市場について紹介します。

概況

ザンビアは、アフリカ南部に位置し、国土は日本の約2倍の75万2600㎢。人口は約2200万人で、国連の統計によると、平均年齢18.2歳と非常に若い国です。ザンビア政府の統計によると人口増加率は世界的にも高い年間約2.7%を記録しています。

主力産業は銅・コバルトなどの鉱業です。近年の価格上昇の恩恵を受けて経済は好調で、GDP成長率は2025年に5.2%、2026年に5.8%と見込まれています。

実用的な需要と「キャッシュ重視」の市場

ザンビアの不動産市場に特徴ですが、すでに人口の約47%が都市部に居住しており、今後も急速な都市化が進む見込みです。

首都ルサカ都市圏では、高級物件は過剰供給気味ですが、中間層向け住宅(2ベッドルーム)の供給が不足しています。タンザニアと同様に住宅ローン金利が高いため賃貸物件が人気で、購入の場合も現金一括決済が行われる比率が高いとされています。

商業不動産市場においては、巨大なショッピングモールよりも居住区に近いネイバーフッド・リテール(近隣型商業施設)への投資が活発化しています。

また、深刻な電力不足を背景に、太陽光発電設備付き物件の人気が高まっています。

課題

ザンビアの不動産市場の最大の課題は、極めて深刻な住宅不足です。都市住民の約70%が現在も清潔な水、電気といった基本的なインフラが整備されていない地区に居住しています。

タンザニアと同様、住宅ローン金利は16.5%〜34.5%と非常に高く、多くの国民が自己資金で少しずつ住居の建設を進める「セルフビルド(自力建設)」を余儀なくされています。

また、こちらもタンザニアと同様に、土地権利関係の未整備が深刻です。全国の推定120万件の物件のうち、正式な権利証の登録は45万件未満(約37%)のみとも言われています。

「リープフロッグ」による不動産ビジネス発展の可能性

これまで紹介したように、タンザニアやザンビア両国では個人向け住宅ローンの普及が進んでいません。これは、アフリカの他の国にも共通する、不動産ビジネスの大きな課題と言えましょう。その原因は、そもそも人口の大半が銀行口座すら持ってないために公的な信用情報が乏しいことに行き着きます。

逆にアフリカでは、このような既成のインフラがゼロという状況がビジネスチャンスとなり、最新のデジタル技術が一気に普及する「リープフロッグ(カエル飛び)」現象が幾つも起きてきました。こうした事例の中に、不動産市場の課題解決に生かせるヒントがあるかもしれません。

代表例は、少額融資におけるオルタナティブ・データ活用(Alternative Credit Scoring)です。

ケニアM-KOPA社では、顧客のモバイルマネーの利用履歴、携帯電話の通話・通信記録(CDR)、公共料金の支払い状況、SNSの利用状況やGPSによる行動ログを元に行われる与信に基づいた少額融資を行っています。これにより、顧客は、銀行口座や担保を持たなくても、太陽光発電システム、スマートフォン、電動バイクなどを購入できるようになりました。

さらに、その返済は、モバイルマネー経由で少額の「日払い」を行う方式(Pay-As-You-Go)が普及しています。支払いが滞るとデバイスが遠隔ロックされる仕組みが与信の代わりとなり、さらに、「日払い」を継続した実績がより大きな与信に繋がる仕組みです。(M-KOPA社公式Webサイトより参照)

ただし、この仕組みの住宅ローンそのものへの適用は進んでいません。その理由は、短期・少額融資で比較的金利も高い現行のモバイルマネー融資と異なり、住宅ローンは長期で大きな融資が必要とされるためです。

なお、M-KOPA社のビジネスモデルについては、こちらの記事でも詳しく紹介していますので、ぜひご参照ください。
●アフリカの経済格差を最新データで解説!市場参入前に知るべき現状と越境ECの活用方法

日本企業によるビジネス進出事例

BE FORWARD 不動産情報掲載プラットフォーム「BE FORWARD HOMES

現時点では、タンザニアやザンビアを始めとしてアフリカ各国の不動産開発ビジネスに対し、日本企業が直接進出した事例はまだありません。住宅設備や不動産仲介といった周辺市場も含めた進出事例としては、以下の通りです。

【株式会社LIXIL】

LIXILでは、JICA・UNICEFとも連携し、2025年までに1億人の衛生環境改善を目指す一環で、アフリカの都市部における衛生環境悪化という課題に取り組むためのソーシャルビジネスを展開しています。

具体的には、タンザニア、ザンビア、モザンビーク、ケニアなどを舞台に簡易式トイレシステム「SATO」や超節水型トイレの普及と、ローカル人材育成を行っています。これは、トイレの製造、設置、メンテナンスまでを現地の人々の手で行うサイクル構築というビジネスモデルです。(株式会社LIXIL Webサイトより参照)

【株式会社ビィ・フォアード】 

アフリカ各国では、不動産情報掲載プラットフォームの存在が無く、不動産取引も知人の紹介が多いため、物件情報にアクセスしずらい環境という課題があります。

弊社、株式会社ビィ・フォアードは、まずタンザニア・ザンビアの両国において、中古車輸出で培った顧客基盤を活かし、不動産情報プラットフォーム「BE FORWARD HOMES」を展開し、物件売買や賃貸の仲介ビジネスに乗り出します。詳細は以下のリンクをご参照ください。

BE FORWARD 不動産情報掲載プラットフォーム「BE FORWARD HOMES

PR TIMES: 越境ECサイト運営のビィ・フォアード タンザニアとザンビアで不動産情報掲載プラットフォーム『BE FORWARD HOMES』をサービスローンチしました

ビィ・フォアードのサービス紹介

今回記事で紹介したアフリカの不動産市場の状況からも、アフリカビジネスには大きな可能性があります。しかし、特に日本企業にとっては、参入を検討したくとも、現地の生の情報を収集し、さらに信頼できるパートナーを見つけることが大きなハードルです。

弊社、株式会社ビィ・フォアードでは以下サービスを通じ、皆さまのアフリカビジネスを支援いたします。

ポチロジ

日本からアフリカの主要国に向けて、さまざまな製品を最速・安全・安価に輸送できます。

BE FORWARD HOMES

アフリカにおける不動産売買、賃貸情報の総合プラットフォームを立ち上げました!

また、弊社、株式会社ビィ・フォアードでは、アフリカビジネスに対して様々な切り口からブログによる情報発信を行っております。ご興味がありましたら、こちらのリンクよりご参照ください。

その他、弊社株式会社ビィ・フォワードの会社案内、事業案内等に関しては、以下のリンクよりご参照ください。

  

出典

タンザニア不動産市場について
https://theafricanvestor.com/blogs/news/tanzania-price-forecasts
https://www.blox.co.tz/g/blog/6-game-changing-trends-shaping-tanzanias-real-estate-market/see#:~:text=The%20Tanzanian%20real%20estate%20market,the%20needs%20of%20modern%20Tanzanians.

ザンビア不動産市場について
https://www.propertypartnerszambia.com/news/20252026-real-estate-market-snapshot

M-KOPA社によるモバイル融資事業について
https://www.m-kopa.com/products#digital-loans

 LIXILのソーシャルビジネスについて
https://sato.lixil.com/?_gl=1*17zo3ze*_gcl_au*MjAwMjY2MTU4MS4xNzcwNjMyODA5*_ga*NTAyMDM1MTM1LjE3NzA2MzI4MTA.*_ga_L1RLBQ788C*czE3NzA5ODMxNjkkbzMkZzEkdDE3NzA5ODQ0ODckajYwJGwwJGgw

浅見 佳
浅見 佳
大学時代バックパッカーとして各地を旅行したことから海外に興味を持ち、2017年に世界一周旅行を経験。訪日外国人へのインタビュー番組のラジオパーソナリティ、海外大学進学に関するイベント運営、貿易事務や翻訳など海外と関わる仕事に幅広く携わる。現在は、中古車輸出販売で世界から注目を集める㈱ビィ・フォアードのデジタルマーケティング部にて、オンライン集客などに従事。

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