アフリカにビジネス進出をする際に、国際決済だけでなく物流の問題も一つの大きな課題として挙げられます。煩雑な通関手続きや港の混雑による遅延により、ナイジェリアでは貨物の到着から引き取りまで3ヶ月かかるなんて噂も。しかし、昨今のテクノロジーの発達によりそうしたロジスティクスに関わる問題を解決するサービスが出てきています。
そこで、今回は今現地で話題のロジスティクス関連サービスをご紹介します。
東アフリカの物流業者と依頼者をつなげるロジスティクスプラットフォーム
Amitruckは2018年にケニアで設立し、2019年に現在の事業を開始しました。Amitruckが提供するサービスは運送業者と利用者をマッチングさせるB2Bプラットフォームです。トラック、バン(運搬用の商用車)やバイクでデリバリー業務を行う登録業者がおり、Webやモバイルのアプリケーション上で依頼者が区間や貨物量を入力すると見積もりが複数業者から提示され、マッチングが成立すると取引が開始されます。また、運送状況もアプリケーション上で確認できます。
こうしたサービスが生まれた背景には、アフリカの物流業界の不透明さや煩雑さがあります。例えば、ケニアでトラックで商品を首都のナイロビから港町のモンバサまで運ぶには、まず業者の選定をしないといけませんが、どの業者が信頼できるのか、法外な価格で請求されていないか等は経験や現地のネットワークがないとわかりません。そうした負を解決するために始まったこのサービスは、現在はケニアのみで展開していますが、今後タンザニアやウガンダにも拡大予定とのことです。
同様のサービスがウガンダでも立ち上がっています。Ridelinkは、2017年に設立させたウガンダの会社で、Amitruckと同様に運送業者と利用者をマッチングするプラットフォームです。AmitruckはUnilever, L’Oréalなどのエンタープライズもターゲットにしているのに対し、RidelinkはSMEをターゲットにしています。
実は、このようなサービスはケニアのLORIが先駆けで、LORIは西アフリカにも既に進出しており、自動車ファイナンスサービスの雄Mooveと提携するなど更なる展開に注目です。
西アフリカのB2C向けラストワンマイル宅配プラットフォーム
さて、西アフリカもナイジェリアではKobo360がB2B向けのロジスティクスプラットフォームを提供していますがB2C向けの配達サービスも勃興しています。
Gokadaは2017年にナイジェリアで設立され、もともとバイクタクシー配車サービスを提供していました。モバイルアプリ上でユーザが目的地を設定すると現在地から近いバイクタクシーが配車されるサービスでした。しかし、2019年にナイジェリアの商業都市ラゴスでバイクタクシーが禁止されたことにより余儀なくサービス停止に追い込まれることに。その後、現在のラストワンマイルデリバリーサービス体系に移行しました。現在のサービスは、ユーザが指定した場所にGokadaに登録しているバイク宅配業者が来て、荷物を受け取ったあとに設定した目的地まで宅配してくれるというものです。支払い金額はアプリ上で表示され、決済もアプリ上で完結することができます。渋滞に関係なくデリバリーできるため安価で速く、個人だけでなくE-commerceやレストランのフードデリバリーなど幅広く利用されています。
また、バイク宅配のマッチングアプリは競争が激しくGokadaだけでなくOya NowやGlovoなども同様のサービスを提供しています。こうしたサービスが流行る背景としては、やはりロジスティクスインフラの未整備によるコスト高と情報の非対称性が挙げられます。まず、ナイジェリアには日本の郵便局やコンビニのように気軽に荷物の宅配受付や受け取りを行ってくれるサービスはありません。(郵便局は存在しますが店舗数が少なく郵便局に行くだけでも一苦労です。)そこで、今までは宅配業者を自分で探して依頼していました。しかし、Amitruckなどのサービスが生まれた背景と同様に、経験やネットワークがないと適正な値段がわからない、信頼できる業者に依頼できず荷物が紛失した、などの問題がありました。そうした背景から、プラットフォーム上でバイク宅配業者と荷物の管理されることにより、ユーザが安心して利用できるようになりました。
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