アフリカに対するビジネス進出熱は、コロナ禍がひと段落した現在、一際熱くなってきています。
しかし、アフリカにおいて道路の整備状況を含めた物流網はまだまだ発達しているとは言い難い状況です。
一部の都市部では車が増えすぎた結果、大渋滞が日常化していたり、また地方都市では舗装道路が十分に整備されておらず、天候によっては通行する事自体が難しい状況に陥っていたりします。
今回はそんなアフリカでの物流サービスについて触れてみたいと思います。
アフリカでの物流の現状
多くの発展途上国で同じように見られる課題ですが、アフリカ諸国においても小規模店舗や零細小売店への商品の供給は簡単ではありません。
製品を輸入するにしても現地にて製造するにしても、大きなコストがかかります。
アフリカでの製品の輸入は海上輸送の遅延や内陸輸送のリードタイムが非常に長く、在庫を柔軟に確保することも困難です。とくに内陸国ほどその影響を受けやすく、商品の流通は十分ではありません。
例えば東アフリカの内陸部に位置するブルンジでは、他の東アフリカ諸国から商品を輸入するのに60日かかることも珍しくありません。
またアフリカ諸国では、流通や輸送に関して現地規制による影響を受けることもあります。
国によっては、販売をしようとする国内に製造施設を持たない企業は、製品を直接卸売り拠点に流通させる事が許可されない場合もあるのです。
さらには、道路網の整備が不十分なエリアにおいては、車の通行が容易ではないなどの問題もあり、医薬品や食料品などの生活必需品の供給も満足にできないエリアもあります。
その為、適切な医薬品があれば救える命が、救えないなどの問題も発生しています。
アフリカの物流問題を解決するアイディア
アフリカで物流ビジネスを展開する上では、一般的な小売店で商品が販売されているだけではなく、その他の販売チャネルが存在することも理解しておく必要もあります。
ナイジェリアのインフォーマル市場では「テーブルトップ」や「ゴー スロー」と言う販売チャネルが存在します。
テーブルトップとは街角にテーブルを持ち出してその上でごく限られた商品を販売する販売手法です。例えば携帯電話やテレフォンカードなどが販売されています。テーブルトップとは日本でいうところの超小型のコンビニエンスストアのような存在でしょうか。
ゴー スローとはいわゆる行商人の事です。持ち運びが容易な様々な種類の商品を販売しています。
サハラ以南の国々を対象にしたニールセン(参考: ニールセンWEBページ )の調査では、消費者の約80%がテーブルトップにて買い物をしている事が判明したほどです。
これらの販売チャネルは、トラックなどが入れない様な狭い道路のエリアに、こういった販売形態の日用雑貨店や食料品店が存在している事から、より自宅から近い場所で買い物をしたいと言うニーズを満たしていると言えます。
この様な市場では、輸送及び販売拠点の手段として手押し車や台車、小型バイクなどが大活躍をします。
これらの低コストの流通手段を活用して、全体のコストを下げ、商品の競争力を高めているのです。
実際にコカコーラやユニリーバなどの一部の消費財メーカーはこれらの輸送・販売手段を活用して小売店への商品供給を円滑に行なう事に成功しています。
さらには、小規模な食料品店では、パッケージをより手頃な量に小分けして販売するなどしています。
これは「一袋は必要ないけれど、ほんの少し必要」と言うニーズに応える為です。
アフリカの市場では、欲しいものが手に入らない経験をする事が多くあります。
小規模な食料品店では在庫を保管する場所の不足やキャッシュフローが潤沢でないなどの理由から一度に多くの商品を仕入れる事が難しく、在庫品が売れてから次の発注をするなどの自転車操業的な経営が多いのです。
対策として彼らが選んだのは近隣にある競合店との在庫の共有です。
一箱の商品を小分けにしてそれぞれの小売店が必要な分のみを共同で購入すると言うやり方です。
これによって、在庫スペースや資金の問題を解決し、日々の販売を継続しているのです。
近代的な物流手段の台頭
前述の様に、アフリカでのビジネスは容易ではありません。
しかし、近代的な物流サービスが問題を解決しようとしています。
必要な商品を必要なときに供給したいというニーズへの対応や、道路が整備されていないなどの理由で商品が届かないなどの多くの問題を解決しようとしているのです。
例えば、商品の小分け販売やドローンでの医薬品などの輸送などの解決策が挙げられます。
以下にアフリカでの物流サービスの成功例を挙げていきたいと思います。
アフリカでの物流サービスの成功例
Zipline(参考:Zipline Instant Logistics)
Ziplineは、自動化されたドローンを使って医療用品を配達するルワンダのスタートアップです。
Ziplineのミッションは、地球上のすべての人が重要な医療物資にすぐにアクセスできるようにすることです。
ミッションを達成するために、世界最速で最も信頼性の高い配送ドローン、世界最大の自律型物流ネットワーク、そして素晴らしいネットワークを構築しています。
Ziplineでは、カリフォルニア州ハーフムーンベイでドローン本体の設計とテストを行い、ドローンや物流センターを動かすソフトのテクノロジーは、サウス・サンフランシスコで構築しています。
カリフォルニア州デービスでは定期的に大規模な飛行試験を行っています。
今ではガーナとルワンダの配送センターから、現地の医療施設に医療用品を配送しています。
Copia(参考:Copia)
発展途上国の消費者向けの消費財カタログおよび配送サービス。
モバイルテクノロジーと、配送拠点となるエージェントのネットワークを活用し、農村部や都市近郊の消費者が幅広い品質の商品を手に入れられるようにしています。
MAX (参考:MAX )
MAX は、西アフリカにおけるオンデマンドのバイクタクシー呼出プラットフォームです。
MAXは、西アフリカの小規模で非常に非効率的な配車のバイクタクシー業界の効率を改善するために、データ解析とモバイル技術を使用して、配車システムを改善しています。
MAXのモバイルアプリケーションは、通勤客に安全で安価なオンデマンドのバイク輸送サービスを提供し、現在AndroidとiOSの両方のプラットフォームで利用可能です。
MAXチャンピオン(ドライバー)、乗客、様々なコミュニティと協力し、10億人のアフリカ人が安全で手頃な価格でタクシーにアクセスできることを目指しています。
MAXは2015年にデリバリーサービスとして事業を開始しています。
OneOrder( 参考:OneOrder )
OneOrderは、業界のどのディストリビューターよりも多くの地元の牧場主、生産者、および生産者と提携しています。
高品質な製品をどこからでも、どこへでもお届けするために、Farm to Table の取り組みを行っています。
まとめ
人口爆発により、一部の都市部では慢性的な渋滞が発生し、また地方都市では道路の整備が追いつかないなどの大きな問題を抱えるアフリカ諸国。
商流も独自の発展を遂げています。
そんなアフリカ諸国では多くの物流サービスが台頭しています。
しかし、まだまだ十分とは言えないのが現状ですが、日本の物流技術を活かせば、アフリカ諸国はブルーオーシャンと言えるのではないでしょうか。
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