木曜日, 12月 5, 2024

アフリカのサプライチェーンの課題とビジネスチャンス

アフリカ諸国は国内のサプライチェーンだけではなく、世界的なサプライチェーンの一部としてますます重要な役割を果たしています。今回は、サプライチェーンに関する現状や課題、そして様々な課題の解決に取り組む現地スタートアップ情報をお伝えします。

アフリカのサプライチェーンの課題

アフリカのサプライチェーンは、いくつかの重要な課題に直面しています。

まず、アフリカの多くの地域では、輸送インフラが不十分であり、道路、港湾、空港などの設備が整備されていない地域があり、製品の輸送に遅れが生じることがあります。

輸送の遅延とともに、高コストもアフリカのサプライチェーンに関する重要な課題です。輸送手段が限られているため、製品の輸送に多くの時間とコストがかかることがあります。また、輸送に必要な燃料の高騰もコスト高につながっています。例えばナイジェリアでは、国内の南部から北部までの輸送費と、中国からナイジェリアまで輸送費がほぼ同じと言われています。

他にも、アフリカの一部の地域では政治的な不安定さが続いており、これがサプライチェーンに深刻な影響を及ぼすことがあります。例えば、一部の地域で紛争などが起こることによって、輸送を中断しないといけないなどの問題が生じます。

トレーサビリティの重要性が高まる昨今、サプライチェーン全体の透明性や効率性を向上させるために、リアルタイムの情報取得が必要です。しかし、アフリカの一部の地域では、情報の収集や共有が不十分であることも課題となっています。

技術の導入を通じたサプライチェーンの効率性を向上させる取り組み

そうした課題を解決する様々な取り組みやサービスが勃興しています。

ガーナ「Jetstream Africa」

ガーナのスタートアップ企業「Jetstream Africa」は、ガーナのテマに設立され、14のアフリカ諸国で事業展開しているデジタルロジスティクス企業です。Jetstream Africaの物流サービスは、企業がドアツードアの物流、支払い、保険などの貿易支援サービスを迅速にオンラインで予約および管理できるようにします。

Jetstream Africaは、2023年1月に1,300万ドルを調達し、活動の拡大を推進するためにそれを利用し、Jetvision.aiを立ち上げました。
Jetvision.aiは、アフリカの国境を越えた貿易を革新するために設計された、人工知能(AI)プラットフォームです。
Jetvision.aiは、アフリカの5万人の貨物輸送業者と200万の輸出入事業者をAIを活用したプロセス自動化、文書管理、貿易資金調達、保険、支払いなどの主要な貿易支援サービスのためのAPI統合を含む、独自のデジタルロジスティクスおよび資金調達プラットフォームを結集することを目指しています。このプラットフォームは、成長と収益性を高め、アフリカの国際貿易にかかる時間を大幅に短縮することを目的としています。

ジンバブエ「E-Livestock Global」

他にもジンバブエのE-Livestock Globalは、家畜データを生成するためのハードウェアとソフトウェアを開発したスタートアップです。2019年設立、2021年にプロダクトを発売しました。

家畜である牛のデータを収集し、農家が家畜についてのスマートな意思決定を行えるようにすることを目的としています。RFID(Radio Frequency Identification)タグを動物に取り付け、所有者の詳細とリンクすることで、スマホを通してワクチン接種なども含む動物の生活のすべてのイベントに関するデータが収集されます。これにより、ジンバブエの家畜所有者の、家畜の追跡を可能にします。信頼性の高い、透明性のある検証可能なデータで、サプライチェーン全体がサポートされます。

アフリカのサプライチェーンは、課題と新たなビジネスチャンスが交錯しており、インフラの改善、地域間の連携、持続可能性への取り組みなど、ポジティブな動きが活発です。アフリカのサプライチェーンがより効率的で持続可能なものに進化するにつれて、地域経済の成長と発展が促進されることが期待されます。

BE FORWARDの海外輸送サービス

今回は、アフリカの最新サプライチェーン事情に関してお伝えしました。

BE FORWARDでも、アフリカ各国に日本から商品や物資を輸送する「海外輸送サービス(ポチロジ)」を展開しています。中古車輸出実績や現地でのネットワークを生かし、お荷物を安全、迅速、安価にお届けいたします。

その他、アフリカビジネス進出の足掛かりとしてアンケートやグループインタビュー調査を実施できる「マーケットリサーチサービス」、アフリカの企業や個人に向けた「バナー広告サービス」、弊社サイトへの代理掲載など、幅広いサービスをご用意しております。アフリカ進出をご検討の際には、ぜひBE FORWARDまでお問い合わせください。

青木 文
青木 文
ナイジェリア在住。ナイジェリアでSaaS事業の立ち上げ後、現在はフィンテック関連企業の事業開発に従事。

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