昨今市場のポテンシャルに期待が集まるアフリカ。しかし、南アフリカやケニアなどの国々の失業率は高く、十分な収入が得られず資金繰りに苦労する人は多いです。職についていたとしても給与上昇がインフレに追いつかないなどの理由で出費がかさむのか、ナイジェリアでは毎月給料日前になると給与の前借りにくるスタッフが毎月のようにいます。そのような状況でローンのニーズは高いですが、銀行の個人向けローンの借り入れはプロセスが多く時間がかかり、利子もナイジェリアでは約12%と高額です。そうした銀行のローンサービスは利用しにくかったため家族や会社からのローンが主流でしたが、最近アフリカではローン関連のサービスを提供する会社が増えてきています。
そこで今回は、アフリカ諸国のローンやBNPL (Buy Now Pay Later)関連サービスをご紹介します。
アフリカEC向けBNPLサービス
スウェーデン発のBNPLサービスKlarnaが作ったBNPLのトレンドを追うように、最近アフリカ諸国でもBNPL関連の新規サービスが勃興しています。ケニア発のスタートアップLipa Laterは現在ルワンダ、ウガンダ、ナイジェリアを含む4カ国に展開しています。そして今後ガーナ、南アフリカ、タンザニアに進出予定とのこと。LipaLaterは、オンラインで商品を購入する際の後払い決済サービスです。利用する方法は2つ。小売店が自社のウェブサイトを持っている場合は、LipaLaterの決済機能を自社サイトに統合する。または、自社のウェブサイトを持っていない小売店はLipa LaterのEC上に商品登録をすると、ユーザはLipa LaterのECから購入することができます。ユーザは3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月の支払い期限を選ぶことができ、利子は4.2%と銀行よりは安い利子で利用できます。類似のサービスとしてThankUCash などもあります。
自動車向けローン
ローンは小売り向けだけではありません。ローンは、アフリカでも自動車などの大きな買い物をするときにも利用されます。最近では、個人用だけでなく、タクシーなどのビジネス利用も購入されます。BE FORWARDでは2022年3月にケニアで自動車向けファイナンス事業を行うHakki Africaと提携し、BE FORWARDで車両を購入したお客様向けに最大5年のローンを提供しています。HAKKI AFRICAは独自に開発した信用パスポートを活用し、信用情報が不足している非正規雇用のタクシードライバーでも融資を行えます。他にもナイジェリアでは、MooveというカーオークションプラットフォームCard45創業者が始めた自動車ローンサービスが利用されています。
スマートフォンや携帯電話用ローン
アフリカ諸国では販売されるスマートフォーンは安価なものでは$100以下からありますが、$100、$200の出費が厳しい人は多くまだまだ高価な買い物です。まだ実装には至っていないものの、Techcableによるとフランス最大の通信大手Orangeはスマートフォンファイナンス事業をコートジボワールで提供するとのリリースがありました。コートジボワールは西アフリカの中では安定成長を遂げていますが、人口の約46%は$100の最低賃金で生活するような貧困層でスマートフォンローンのニーズが高いためスマートフォン向けのローンサービスの提供に至ったようです。今回のスキームはオランダの信用スコア企業とコートジボワールのSME向けローン提供企業との提携によって実現するようですが、今後の展開にも注目です。
エンタメ向けローン
最後に少し変わったエンタメ(映画クリエーター)向けローンサービスをご紹介します。ナイジェリアは、アメリカのハリウッド、インドのボリウッドに次ぐ映画集積国で映画産業が発達していてノリウッドと呼ばれるほどです。しかし、映画クリエーターの資金繰りは厳しく作品を作り上げられないこともしばしば。そこで、TalentXでは支援者とクリエーターを繋げるプラットフォームを提供しようとしています。実際はローンというよりは日本のクラウドファンディングのようなサービスで、プラットフォーム上で支援者が興味のあるクリエーターの作品に出資することができます。
アフリカで挑戦したい企業様へのおすすめサービス
さて、今回はアフリカのローンサービスをご紹介しましたが、日本から商品をアフリカに展開したいという方向けに、BE FORWARDでは今までのアフリカ56カ国でのビジネスの知見を活かしアフリカに進出したいという企業様向けに進出支援サービスを行っています。
ご興味のある方はこちらからお問い合わせください。