金曜日, 3月 29, 2024

アフリカ最新ビジネストレンド リープフロッグ現象がもたらすアフリカの革新

アフリカでのビジネスを語る際に話題となるリープフロッグ現象。今回は、その背景と最新事例をご紹介します。

ビジネス革新を生み出す、リープフロッグ現象とは?

「蛙飛び」や「馬跳び」を意味するリープフロッグ(leapfrog)。ビジネス領域においてのリープフロッグ現象とは、新興国が先進国から遅れて新しい技術に追いつく際に、既存の技術を導入する前にさらに新しい技術を導入することを意味します。

通常の段階的な進化を踏むことなくすべて飛び越して一気にジャンプするように最先端の技術に到達してしまう様子から、リープフロッグと呼ばれています。

英語、柔軟性...アフリカでリープフロッグ現象が起こりやすい理由

開発途上である

アフリカの多くの国は開発途上です。そのため、既存のインフラが整っていなかったり、既得権益者が少ないという状況があります。その分、新しいビジネスやサービスを展開する際に、先端技術が素早く浸透しやすい土壌があります。例えば、MPESA携帯電話で送金や出金、支払いなどができるモバイルマネーサービス)は、インフラの整っていない地域もあるケニアで、携帯電話普及率が高いことからサービスが広がったリープフロッグ現象の一例といえます。

公用語が英語

アフリカの中でも成長著しいケニアやナイジェリア、南アフリカ共和国などは、いずれも公用語が英語です。一般国民が世界の情報を即座に理解でき、最先端の情報も入手しやすいという利点があります。

指導者の柔軟性

海外からの投資を受け入れるための制度が整っているか、指導者がその柔軟性を持ち合わせているかも、ビジネス革新を生み出す鍵となります。その点、例えばケニアでは、政府がイノベーションの創出、起業家育成に向けてサポートを惜しまず、海外からの投資も積極的に呼び込むスタンスがあります。そうした状況から、数多くのスタートアップや新しいビジネスが誕生しました。

Nigeriaリープフロッグ事例:ライドシェアバスサービス「Treepz」

アフリカでのリープフロッグ現象の事例として、今回は、ナイジェリアの取り組みを詳しくご紹介します。

Nigeriaの背景と課題:道路混雑・事故、犯罪

ナイジェリアのラゴスは、経済的・文化的な中心地で、都市圏人口は2000万人を超えるアフリカ最大級の都市です。しかし、大量交通手段としての都市鉄道はほとんど未整備で、都市交通は小型バスやタクシーに依存しています。また、自家用車の登録も増えており、道路渋滞の恒常的発生が問題となっています。

(ナイジェリアに限らず、エジプトのカイロや南アフリカのケープタウンなどアフリカ各地の都市部では道路渋滞が問題になっており、運輸サービスの強化と効率化へ向けた政策や計画づくりが緊急の課題となっています。

BE FORWARDは15年間でアフリカだけでも56の国と地域に販売実績があり、アフリカ現地に確立した物流ネットワークを持っています。当社は内陸部へのインフラを自前で整備し、物流システム「シティーデリバリーサービス」を展開しています。アフリカへの輸送をお考えの際は、是非お気軽にお問合せください。)

ラゴスでは、バイクタクシー、三輪タクシーによる事故が多発しています。(2016~2019年に1万人以上が治療を受け、600人以上死亡)

治安に関しても、在来の路線バスは小型で車内が狭く、スリが多発するなど車内治安は劣悪。個人利用のタクシー(ライドシェア)でも、強盗や殺人などの凶悪犯罪が多発している地域のため、犯罪への対応が課題です。

ライドシェアバスサービス「Treepz」とは

そのような状況の中、ナイジェリアの投資会社Emfato Holdingsは、crowdyvestをクラウドファンディングのプラットフォーム、子会社のPlenty waka(現在はTreepzとして運営)をサービスオペレーターとして、2019年9月、オンデマンド型の乗合バスサービスを開始しました。

乗客はスマートフォンのアプリを利用し、乗車を希望する日時と場所、目的地、車の種類を選択して予約します。料金はカードまたはキャッシュレス決済システム(Waka Purse)で支払います。

ラゴス州政府が交通安全を目的に2020年2月から特定区域でのバイクタクシーと三輪タクシーの運行を禁止して以降、ライドシェアバスであるサービスの利用は加速しました。

現在は、日常的な利用に向けたサービスのほか、旅行などに利用できる長距離バス、法人向けの従業員のシャトルバスサービスも展開しています。ナイジェリアのほかガーナ、ウガンダでもサービスを展開し、これまでに139,400人がアプリをダウンロード、1,436,502人がサービスを利用しました。

アプリとキャッシュレス決済を活用することで、課題の多かったラゴスで、それらを一気に解決に導き、利用者も急激に増加した画期的なサービスです。

まとめ:アフリカでビジネスを展開するためには?

今回は、リープフロッグ現象をテーマにアフリカの現状をお伝えしました。

アフリカでのビジネス展開を考える際には、最適なシステムや顧客のターゲット層などをリサーチし、効果的な戦略を考える必要があります。

BE FORWARDは15年間でアフリカだけでも56の国と地域に販売実績があり、アフリカでの知名度とネットワーク、独自の輸出経路を持っており、それらを生かしたサービスを展開しています。弊社は、アフリカ進出のための調査「マーケットリサーチサービス」、アフリカの企業や個人にリーチする「バナー広告サービス」、商品や物資の輸送には「海外輸出サービス」など、幅広い内容でアフリカへのビジネス進出をサポートします。ご興味を持たれるものがありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。

参照元:
https://ng.treepz.com/ 
https://techpoint.africa/2019/09/19/crowdyvest-holding-launches-bus-hailing-service-plentywaka
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/02/31be0c9819cfcaca.htm

浅見 佳
浅見 佳
大学時代バックパッカーとして各地を旅行したことから海外に興味を持ち、2017年に世界一周旅行を経験。訪日外国人へのインタビュー番組のラジオパーソナリティ、海外大学進学に関するイベント運営、貿易事務や翻訳など海外と携わる仕事を幅広く経験。現在は、中古車輸出販売で世界から注目を集める㈱ビィ・フォアードのデジタルマーケティング部にてオンライン集客などに従事。

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