火曜日, 5月 13, 2025

アフリカにおけるAI(人工知能)を活用した最新ビジネス事例と可能性

アフリカは、テクノロジーの導入によって着実な進歩を遂げています。その中でも、人工知能(AI)の活用は、様々な分野で革新的な解決策をもたらし、経済発展に向けた取り組みを加速させています。2019年にはチュニジアでAI研究や欧米向けのAIアプリケーション開発を行うInstadeepが700万ドルの資金調達をし話題となりました。今回は、アフリカ各国での教育、医療、農業分野でのAI活用の最新事情をお伝えします。

AIのアフリカでの教育分野への貢献

多くのアフリカの地域では、教育へのアクセスが限られており、教育水準も低い地域もまだ多くあります。しかし、AIを活用した教育プラットフォームやモバイルアプリが、リモート学習の促進や学習のカスタマイズを可能にし、教育のアクセス性を向上させています。特に、リモート地域や資源が限られた地域での教育水準の向上に貢献しています。また、AIを活かして、教師に対して教育資材の選択、カリキュラムの改善に関するアドバイスを提供することで、教育の質を向上させるサービスを提供しているスタートアップも出てきています。

例えば、ナイジェリアでは国がAI活用を促進するため、AIを利用した事業を展開するスタートアップへの補助金を提供しており、そのスキームに採択されたEdunetixは、個人の興味・スキル・志向に踏み込み、パーソナライズされたキャリアアドバイスが可能なアルゴリズムを開発しています。

医療分野でのAI活用

アフリカの医療分野でもAIの導入が進んでいます。特に、健康診断や医療画像の解析にAIを活用することで、診断の迅速化や効率化が図られています。これにより、地域の医療インフラが限られている場所でも、高品質な医療サービスが提供される可能性が広がっています。

ルワンダでは、Ziplineと呼ばれるドローン配送サービスが展開されています。このサービスは、医療品や血液製品などを地方の医療施設に届けるためにAIを利用しています。AIを搭載したドローンが、医療品を運ぶ最適な経路を決定し、遠隔地域における医療物資の供給を確保しています。

アフリカでのAIと農業との結びつき

アフリカの多くの地域では、農業が主要な産業です。AIを活用した農業技術は、作物の生産性向上や適切なリソース管理に貢献しています。気象データや土壌情報を活用し、作物の最適な栽培方法を提供することで、農業者の収入向上や食料の安全保障に寄与しています。

iCowは、ケニアで農家が利用する人工知能ベースのモバイルアプリです。このアプリは、農家に牛の健康管理や最適な飼育方法を提供し、牛の生産性を向上させることを目的としています。AIを活用して、適切な飼料や健康管理に関するアドバイスを提供することで、農家の収入増加に貢献しています。

また、ケニアに拠点を置く気候テックスタートアップであるAminiは主に衛星データを収集し、センサーデータや研究成果、現地調査などのさまざまなデータセットと統合しています。この統合された情報を利用し、土壌・作物の健康状態、再生農業などの農業プラクティス(水や肥料の使用など)に関する情報を提供しています。そのような情報を活かしたAminiのプラットフォームは、洪水の検知などさまざまな活動にわたるリアルタイムモニタリングツールや機械学習モデルの開発を支援し、こうしたデータを提供することにより、農家の生産性の向上を目指しています。

最後に

今後もアフリカでのAIを利用したサービスや事業が活発になっていく一方で、アフリカにおけるAIの導入には専門家不足やデータ不足などの課題もあります。しかし、これらの課題を克服するために、教育への投資や専門家育成、データ収集の改善など、包括的な取り組みが求められており、政府やGoogleなどのグローバル企業によるアフリカでのAI関連の投資が見込まれます。

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青木 文
青木 文
ナイジェリア在住。ナイジェリアでSaaS事業の立ち上げ後、現在はフィンテック関連企業の事業開発に従事。

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