金曜日, 9月 13, 2024

アフリカビジネス最前線 | アフリカのアグリテックスタートアップ最新事情に迫る

アフリカの農業は、地域経済の中心であり、多くの人々の生計を支える重要な産業です。しかし、アフリカの農業は伝統的な方法に頼り、食糧不足や生産性の課題に直面しています。こうした課題の解決のため、アフリカのアグリテック産業が急速に発展しており、次の世代の食糧生産に革新的な解決策を提供しようとしています。今回は急成長中のアフリカ各国のアグリテック事例を紹介します。

農家向けのデジタルローンを提供するEmata

アフリカの多くの国ではローンの金利が高く、ローンの利用は農家にとって大きな課題です。ウガンダのEmataは、モバイルアプリで利用できる小規模農家に安価なデジタルローンを提供しています。Emataのローンは小規模農家が通常利用するインフォーマルローンの金利の約5分の1です。ウガンダには小規模な農業組合があり、Emataは各組合とパートナーシップを組み、ローンを利用したい農家に対してデジタルローンを提供しています。各組合にMISという情報管理システムを提供し、出荷情報をもとにした信用スコアを開発することで安価なローンの提供が可能になっています。

効率的な農業調達を目指すiProcure

ケニアのiProcureは、農業用品(種子、肥料、農薬など)の供給を改善するためのプラットフォームを展開しています。iProcureは、農家に高品質な農業用品を効率的に提供し、生産性を向上させ、収益を増加させる役割を果たしています。ケニアの地方では、農業用品を扱うディーラーの在庫が不足していることがあり、在庫管理に課題を抱えています。そこで、iProcureはモバイルアプリケーションを通じて、農業用品ディーラーは在庫管理を行い、農家は最新の情報を収集し必要な農業用品を簡単に注文することを可能にしています。iProcureは2022年までにケニアの5000以上の農業用品ディーラーにモバイルアプリを提供しています。

農業関連情報を提供するFarmerline

ガーナのFarmerlineは、農家に向けた農業関連情報の提供に特化しています。デジタルテクノロジーを活用し、情報へのアクセスを可能にします。彼らのサービスには、天候予報、農業プラクティスのアドバイス、市場価格情報などが含まれており、農家がより戦略的に生産を計画し、リスクを軽減するのに役立ちます。ガーナの地方では、インターネットが通じにくい地域も多くFarmerlineではそうした農家への情報をSMSの機能を利用し配信していたり、文字が読めない農家もいるため音声メッセージを利用しています。Farmerlineは、情報格差を埋め、持続可能な農業を促進しています。また2023年には300万以上の小規模農家がいるといわれているコートジボワールへの進出を行っており、西アフリカへの拡大を進めています。
創業者の一人であるAlloysiusは、農業はいまだにアフリカ経済の中心であり、農業の予測可能性を高めるためにビッグデータの活用を進めていく必要がある。また同時に品質の良い種を最適なタイミングで提供し、小規模農家へのサポートも行うことによって市場全体の効率を高めていくことができる。そうすることで、Farmerlineのアプローチはガーナ、ひいてはアフリカへの経済成長に貢献していく。と語っています。

アフリカ版JA、Babban Gona

ナイジェリアのBabban Gonaは、小規模農家向けの継続的な支援プログラムを提供する組織です。彼らは、農家に農業スキルの向上、リーダーシップトレーニング、および資本へのアクセスを提供し、持続可能な農業プラクティスを推進しています。Babban Gonaは、農家の生計向上と地域の食糧安全保障に寄与しています。Baban Gonaは2022年時点で、280,000以上の農家へ約2億ドルのローンを提供しており、規模は170,000エーカーに及びます。

最後に

これらのアグリテック企業は、アフリカの農業に革命をもたらし、地域経済の発展に寄与しています。各企業の革新的なソリューションとサービスは、農家の収益向上、食糧安全保障の確立、そして持続可能な農業の促進に寄与しています。アフリカのアグリテック産業は今後も成長が期待されており、地域経済の柱としての役割を担っていくのではないでしょうか。
以上のようなアフリカの最新情報、リサーチにご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください!

ビィ・フォアードでは、アフリカの生の声が聞けるアフリカ市場調査サービス、月間6,000万PVのウェブサイトで宣伝広告できるバナー広告サービス、物流網を生かした海外輸出・発送サービスなど、アフリカで市場参入・拡大したい企業様向けのサービスをご用意しています。

アフリカビジネスにご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。お問い合わせは随時お受けしております。

青木 文
青木 文
ナイジェリア在住。ナイジェリアでSaaS事業の立ち上げ後、現在はフィンテック関連企業の事業開発に従事。

最新記事

<< PR >>spot_img
<< PR >>spot_img