アフリカビジネスを始めるにあたって、きれいな水を使える環境はとても重要です。日本は水資源が豊かで、ビジネスにおいて水に困ることはあまりないでしょう。
しかし、アフリカの多くの地域では、水問題は大きな課題です。
砂漠地帯では水をどう手に入れるか悩ましい問題です。また、都市部においても、日本ほどインフラが整っておらず、多くの国では水の確保に悩んでいます。
アフリカビジネスと水資源について、以下のような疑問にこの記事ではお答えします。
「アフリカで水資源が豊かな国はどこか」
「アフリカでビジネス展開する上で、水について気をつけておくべきことは何か」
この記事では、国連大学による「水の安全保障」データをもとに、水資源が豊かなアフリカの国をランキング形式で紹介します。
アフリカビジネスにおける水資源の現状と注意点3選も、あわせて解説します。
この記事を読めば、現地の水問題について理解が深まり、アフリカビジネスがさらに成功へと向かうはずです。
ぜひ最後までご覧ください!
アフリカビジネスにおける水資源の現状

アフリカにおける水資源の現状は、国によって大きく異なります。しかし、多くの国で直面する課題として、次の3つがあげられます。
・全般的な水資源の不足
・都市部のインフラ老朽化
・排水処理の不足
これらの問題によって、日本のビジネスでは想像できないようなトラブルにあってしまう可能性があります。
それぞれの課題について詳しく説明しましょう。
1.全般的に水資源は不足気味
アフリカ全体を見渡すと、多くの国々が水資源の不足に悩まされています。
国によって状況は異なりますが、ほとんどの地域では、水が不足していると考えた方がよいでしょう。
特に北アフリカ地域は、気候や地理的な理由からつねに水不足に直面しています。気候変動の影響もあり、水資源を確保するのが差し迫った課題となっています。
2.都市部ならではの水資源をめぐる問題
アフリカにおいても、都市部は地方と比べれば、水に関するインフラは整っている傾向にあります。しかし、都市部ならではの課題もあります。
多くの都市では、給水施設や配管の老朽化が進んでいます。その結果、水漏れによって水が届かなかったり、水道水が汚染されてしまうなどの問題が生じています。
現地のメディアでは、水漏れや盗水によって、水資源の90%が失われていると報じる記事もあります。
アフリカの多くの国では、電力供給も不安定です。電力が足りていないと給水ポンプが動かなくなり、水が安定的に届かないケースもあります。
3.排水の処理も大きな問題
アフリカにおける水資源の問題は、水を使えるかどうか、だけではありません。
たとえば、使い終わった排水の処理も大きな問題です。
アフリカの多くの地域では、下水道などの排水処理施設の整備が追いついていません。そうした地域では、処理されていない汚水が川や湖などへ流されています。
国連大学による統計では、アフリカにおけるほとんどの国では、排水の50%以上を適切に処理できていないとしています。
排水が流れ出れば、私たちの身の回りに汚水が残ってしまうことになるのです。公衆衛生という意味でも、排水がきちんと処理できていないのは深刻な問題です。
4.日本と同じ感覚では使えない水資源
アフリカビジネスで重要なのは、日本での水に関する常識は通用しないと理解しておくことです。
日本のように水が使える環境や排水の処理技術が、アフリカでも同じように整っている、と考えるべきではありません。水の確保はもちろん、使用やその後の処理に至るまで、日本とは異なる工夫が必要です。
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【2024年最新】アフリカ「水の安全保障」ランキングを公開!
アフリカビジネスに欠かせない、水資源が豊かな国を探るために「水の安全保障」ランキングを見てみましょう。
「水の安全保障」ランキングでは、それぞれの国で水資源がどれだけ安定的に確保できているかを分析しています。調査結果は「水の安全保障」スコアとしてまとめられ、国ごとの点数が発表されています。
このスコアは、単に水資源が多いかどうかだけでなく、
・水が安定して供給されているか
・水に関するインフラは整備されているか
・排水がきちんと処理されているか
など、総合的な観点から国の水事情を評価したデータです。国連大学が発表している「水の安全保障」データをもとに作成しています。
アフリカ「水の安全保障」ランキングは下の表をご覧ください!参考までに、米国・日本・中国のスコアもあわせて載せています。
| 順位 | 国名 | 「水の安全保障」スコア |
|---|---|---|
| – | 米国 | 80 |
| – | 日本 | 77 |
| – | 中国 | 64 |
| 1 | アルジェリア | 60 |
| 2 | アンゴラ | 58 |
| 2 | コンゴ共和国 | 58 |
| 2 | チュニジア | 58 |
| 5 | モロッコ | 57 |
| 5 | ナイジェリア | 57 |
| 7 | 南アフリカ | 56 |
| 7 | ザンビア | 56 |
| 9 | ボツワナ | 55 |
| 10 | カーボベルデ | 54 |
| 10 | レソト | 54 |
| 12 | ガボン | 52 |
| 12 | ガーナ | 52 |
| 14 | コートジボワール | 51 |
| 14 | ナミビア | 51 |
| 16 | コンゴ民主共和国 | 50 |
| 16 | ガンビア | 50 |
| 16 | サントメ・プリンシペ | 50 |
| 16 | セーシェル | 50 |
| 20 | ブルキナファソ | 49 |
| 20 | セネガル | 49 |
| 20 | トーゴ | 49 |
| 20 | ウガンダ | 49 |
| 20 | ジンバブエ | 49 |
| 25 | ベナン | 47 |
| 25 | カメルーン | 47 |
| 25 | 赤道ギニア | 47 |
| 25 | マラウイ | 47 |
| 29 | ギニア | 46 |
| 29 | ケニア | 46 |
| 29 | モザンビーク | 46 |
| 29 | ルワンダ | 46 |
| 29 | タンザニア | 46 |
| 34 | ブルンジ | 45 |
| 34 | エジプト | 45 |
| 36 | ギニアビサウ | 44 |
| 37 | 中央アフリカ | 43 |
| 37 | マリ | 43 |
| 37 | モーリシャス | 43 |
| 40 | エスワティニ | 41 |
| 40 | モーリタニア | 41 |
| 42 | コモロ | 40 |
| 43 | チャド | 39 |
| 44 | ニジェール | 38 |
| 44 | シエラレオネ | 38 |
| 46 | リビア | 37 |
| 46 | マダガスカル | 37 |
| 46 | 南スーダン | 37 |
| 49 | リベリア | 36 |
| 50 | ソマリア | 35 |
| 51 | ジブチ | 32 |
| 52 | エチオピア | 31 |
| 53 | スーダン | 30 |
| 54 | エリトリア | 29 |
アフリカで、ランキング上位となった国は以下の通りです。
1位 アルジェリア
2〜4位 アンゴラ・コンゴ共和国・チュニジア
5〜6位 ナイジェリア・モロッコ
7〜8位 南アフリカ・ザンビア
また、アフリカにおける水資源を考えるうえで、注目すべき3つの国も紹介します。
・エジプト
・ケニア
・タンザニア
それぞれの国の現状について、さらに詳しく見てみましょう。
【1位】アルジェリア
「水の安全保障」スコアが最も高い国はアルジェリアです。
アルジェリアは、北アフリカに位置する産油国として知られています。近年は原油だけでなく、農業・エネルギー・デジタルなど他の分野への投資に力を入れているところです。
「水の安全保障」ランキングで1位となった背景として、国家主導での大規模なインフラ整備が挙げられます。たとえば、海水を淡水にする技術への投資を進めたり、淡水化施設の整備を進めているとJETROは報告しています。
こうした取り組みにより、水資源の供給能力が高まり、スコアも高くなったと考えられます。
【2位グループ】アンゴラ・コンゴ共和国・チュニジア
「水の安全保障」スコアが続けて高かった2位グループとして、アンゴラやコンゴ共和国、チュニジアの3国があげられます。
これらの国々は、安全な水と下水道施設に対するアクセスのしやすさにより高評価を得ています。
たとえば「水の安全保障」レポートによれば、チュニジアでは国民の90%以上が安全な水にアクセスできています。またコンゴ共和国は豊かな熱帯雨林を背景に、アフリカ諸国の中では水資源に恵まれている国の一つです。
経済発展と水資源管理を両立できている国が、ランキング上位に入っていると考えられます。
【5位グループ】ナイジェリア・モロッコ
ナイジェリアとモロッコも、水資源を確保できている国として高い評価を得ています。
ナイジェリアは、アフリカで最も人口が多い経済大国です。「水の安全保障」スコアが高い理由として、経済発展を背景としたインフラへの大規模投資があげられます。政府は2030年までに、安全な水を使用できる環境を整えると掲げて、投資を進めているのです。
モロッコも同じように、国家戦略として水資源管理に力を入れています。「水の安全保障」レポートでも、ほとんどの国民が安全な水資源にアクセスできていると高く評価しています。
【8位グループ】南アフリカ・ザンビア
アフリカで水資源を確保している国として、南アフリカやザンビアも含めてよいでしょう。
たとえば南アフリカは、アフリカ南部でもっとも経済規模が大きく、ビジネスの拠点となっている国です。金融市場のハブにもなっており、アフリカでもっとも多くの資産が集まっています。
南アフリカにおける「水の安全保障」スコアが高い背景には、
・海水の淡水化など、先進的な水管理技術の導入
・下水を再利用するなど、効率的な水利用を促進する政策
があげられます。再生水の利用や漏水対策など、水資源管理への取り組みが評価されています。
【注目国1】エジプト
エジプトは、アフリカ北部で経済発展が進んでいます。アフリカビジネスの進出先として、有力な候補の一つです。経済発展に伴うインフラ整備も行われており、エジプトにおける上水道の普及率はほぼ100%を達成しています。
しかしその一方で、「水の安全保障」スコアは意外に低い水準にとどまっています。
点数が伸びない主な理由としては、
・国内の水資源をナイル川に大きく依存し、雨季と乾季の影響で水量が変わる
・足りない水資源を海外から補っており、水の供給量は経済の影響も受けやすい
・急速に人口が増え需要が大きくなっている
ことがあげられます。
水への需要に対して使用できる水資源が多くない、水の供給量が不安定である、といった理由で点数が低くなっていると考えられます。
【注目国2】ケニア
ケニアは、アフリカ東部における経済のハブとして、急速な発展を遂げています。モバイル決済サービスが国民全体に広まり、さまざまな分野でビジネスが生まれる活気がある国です。
しかし水資源の供給に関しては、ケニアは課題を抱えているのが現状です。国民の4分の1以上が、安全な水へアクセスできない状況だと言われています。こうした状況を受け、ケニアの「水の安全保障」スコアは高いとは言えません。
ケニアの水資源を解決するために、政府・民間それぞれが精力的に活動している最中です。政府はVision2030と呼ばれる計画を掲げ、2030年には全国民へ水を提供できる環境づくりを進めているところです。
日本企業もケニアにおける水資源の提供に貢献しています。たとえば、香川県にある株式会社川西水道機器は、ケニア国内で水道管の老朽化対策となる製品やサービスを提供しています。
今後はケニアの水資源はより利用しやすくなり、ビジネスの環境もさらに良くなると期待できるでしょう。
【注目国3】タンザニア
タンザニアは、安定した政治環境と豊富な天然資源を背景に、着実な経済成長を続けています。日本から輸出される中古車を、もっとも多く輸入しているアフリカの国がタンザニアです。経済活動が活発に行われている様子が現れています。
しかし、タンザニアにおける「水の安全保障」スコアは、他のアフリカ諸国と比べて高いとは言えません。都市部では、水道料金が十分に集められておらず、設備の老朽化が課題とされています。
一方で世界銀行からは、「タンザニアの水へのアクセスや排水処理は着実によくなっており、さらに取り組みを続ければ経済活動に大きな良い影響があるだろう」といった報告もあります。
アフリカビジネスを展開する国として、今後注目すべき国と言えます。
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アフリカビジネスでの水資源をめぐる3つの注意点

アフリカビジネスを始める前に、水資源をどう確保するか考えておかねばなりません。
下にあげた3つの点に気をつけることで、水資源に関するリスクを小さくでき、ビジネスの成功につながります。
・現地の水事情を調べて把握する
・現地での水資源にあわせて対策を考える
・マーケットリサーチサービスを活用し、現地での情報を集める
それぞれの注意点について、詳しく説明しましょう。
1.現地の水事情をリサーチし把握する
アフリカでのビジネスを検討するうえでは、まず現地の水事情をきちんと把握すべきです。
たとえば
・水不足に関するニュースはあるか
・その地域の企業はどのように水を利用しているか
・季節によって利用できる水量はどう変わるか
などを詳しくリサーチする必要があります。
水がどれだけ供給されているかだけでなく、排水の処理や衛生状態も重要です。
アフリカの水資源は、日本の環境とは大きく異なることを忘れないでください。現地の実態にあった準備を進めましょう。
2.現地での水資源にあわせて対策を考える
アフリカの水事情を理解したら、自社のビジネスモデルや製品が、現地でそのまま提供できるか検討する必要があります。
たとえば製造業であれば、品質の良い水が十分に確保できるかを確かめるべきです。水の確保が難しければ、水資源に頼らない形で製品を生産できないか検討しましょう。
サービス業においても、水資源が満足して使えないためにビジネスに支障が出ないか、考えておくべきです。
3.マーケットリサーチサービスを活用し、現地の水資源に関する情報を集める
アフリカの水事情を把握するには、地元企業からの情報が欠かせません。現地における経験や知見は、アフリカビジネスのための貴重なヒントとなります。
しかし、アフリカにおける水資源の事情を教えてもらうには、地元企業とのつながりが必要になります。そうしたネットワークを持っていない日本企業も多いです。
アフリカにおける水資源の状況を調べるために、BE FORWARDが提供しているマーケットリサーチサービスの利用をおすすめします。
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「自社製品の製造に必要な水資源は確保できるのか」
「現地までの商品輸送をどのように手配すべきか」
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参照元:
African Business “Should private companies play a role in Africa’s water sector?”
国連大学ウェブマガジン「アフリカにおける国連初の「水の安全保障」アセスメント: 憂慮すべき実態が判明」
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