アフリカビジネスに大きくかかわる輸入規則について、中古車輸出にフォーカスし、ケニアを例としてお伝えします。
輸入規則とは
日本でも、関税法によって国内の経済や、安全が守られるよう輸出入が禁止されている物品が定められていて、禁止されている物品を輸出入した場合には、処罰されることがあります。日本と同様に世界の各国で輸入規則が定められているため、各国で輸入規則は異なるため、アフリカビジネスを起業する場合には、ターゲット国での輸入規則に商品が該当しないか事前に確認する必要があります。規則は国内相場、仕入れや輸送にも大きく影響するため、ビジネスに大きな打撃を受けます。
また、アフリカ各国の輸入規則の変更は、公開がきちんとされなかったり、日付をさかのぼって定められることもあり、日本にいながら現地の最新情報をタイムリーにキャッチすることは、安易ではありません。アフリカビジネスを起業するにあたり、アフリカ現地の情報を得られるコネクションやルートを事前に準備しておくことをおすすめします。
ケニアの中古車輸入規制
中古車輸入規則の例として、アフリカのケニアの輸入規則を紹介します。
ケニアにおける中古車の輸入規則
- 初回登録年月日より8年未満であること
- 製造年月日から初回登録年月日までの期間が1年未満であること
- 右ハンドル車であること
- 路上走行車両検査の基準に合致していること
- 走行距離計(Odometer)、輸出許可書、登録書類、登録抹消書類、定期点検書類が確認できること
- 競売シートなどの数値と実際の走行数値に矛盾がないこと
- KEBSの排気ガス基準に準拠していること
- 目視検査により、排気ガスとして濃い青煙または黒煙を発していないこと
- 標準排気ガス検査で一酸化炭素は0.5%(重量)を超えないこと
- 炭化水素は0.12%(重量1,200ppm)を超えないこと なお、燃費規制はありません。
1・2については年式規制といわれ、2021年現在でいうと、2014年に製造し初年度登録が2015年までの車両が輸入可能となります。これは2021年中に現地へ到着することが必要なため、輸送の遅延などで到着が2022年に入った時点で輸入が不可となるので、輸送時期にも気を付ける必要があります。
3は、消防車、救急車および霊柩車などの場合、左ハンドル車規制の適用から除外されています。また、関税も無税と待遇されています。
5については、国によっては輸出の船積み前に指定の検査会社で輸出前検査をする必要があります。ケニアの場合も検査会社が発行する許可証がないと現地で受け入れされません。逆に、輸出前検査に合格していれば、現地で規則に引っかかることは原則ありません。もし輸出前検査に引っかかってしまった場合は、その項目の部分を修理して再度検査を受ける必要があります。それを合格した中古車だけがアフリカに輸出できると言えます。
輸入規則の変更による影響
ケニアでは、2019年7月に8年未満から5年未満の年式規制が適用されると発表がありましたが、現在のところ適用は保留となっています。年式規制の背景には、ケニア国内で生産される新車販売を促進したいという政府の意向があります。現在は8年未満から5年未満への年式規制を検討されていますが、今後さらに年式を新しいものに制限し、中古車の輸入を厳しくしていく可能性もあります。現在のケニアへの中古車輸出台数はチャイナショック以降、2020年の新型コロナウイルスの影響が出るまでは年々増加していました。年式規制が厳しくなることで、輸出台数や相場にも大きな影響がでることになるでしょう。
そのためにも、アフリカビジネスでは現地の動きや情報をいち早く得ることが必要不可欠となります。

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出典 ※1 ケニアにおける中古車の輸入規則