日曜日, 11月 27, 2022

サハラ以南アフリカの携帯電話ユーザー数とスマホ普及率:アフリカで進むデジタル化の今

アフリカでは電気や幹線道路などのインフラがまだしっかりと整っていない地域でも、携帯電話が利用されている光景が見られます。電波を飛ばせば使える携帯電話はお手軽で、アフリカに画期的な変化をもたらしました。伝統的な狩猟生活を続けていることで有名なマサイ族でも携帯電話を活用して狩りをしているという話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。以前、ビィ・フォアードが実施した家電に関するアンケートの結果においても、どんな白物家電より普及しているのが携帯電話でした。日本では近年やっとキャッシュレス決済が進んでいますが、アフリカはモバイルマネーの先進国で、多くの人が友人や家族への送金や、月々の支払などにモバイルマネーを使っています。また、コロナ禍のロックダウンの影響で、アフリカでもデジタル化が進みました。この記事では、アフリカの携帯電話利用状況やスマホの普及率、現在のトレンドなどを数字でご紹介します。

数字で見るサハラ以南アフリカの携帯電話利用状況

携帯電話ユーザー数と割合

GSMアソシエーションが2021年に発表した報告によると、サハラ以南アフリカの携帯電話のユニークユーザー数は2020年で4億9500万人。2025年までに新たに1億2000万人のユーザーが増え、6億1500万人に達すると予測されています。2012年の携帯ユーザー割合は人口の32%でしたが、2020年には46%まで増えました。2025年には全体の半数の50%に達すると予測されています。

ユーザー増加の背景には、アフリカの人口増加があります。サハラ以南アフリカは人口の40%以上が15歳以下と若年層が多く、初めて携帯電話を利用するという若者が今後も継続して増える見込みです。人口増加については、こちらの記事で触れています。

回線数

アフリカではひとりのユーザーが複数の端末やSIMカードを保有していることがよくあります。同じキャリア同士の通話やショートメッセージが無料といったサービスが多いため、ユーザーは複数のキャリアと契約し、連絡する相手のキャリアによって使い分け、通話料を節約しています。そうした背景から、全体の回線数はユーザー数を大きく上回ります。2020年のサハラ以南アフリカの回線数は9億3000万で、2025年には11億を超えると見込まれています。

モバイルからのインターネットアクセス数

携帯電話からインターネットにアクセスする人の数も年々増えていて、その成長率は9.3%と驚異的です。サハラ以南アフリカで2020年にモバイルからインターネットアクセスした人は3億人で、割合としては全体の28%に留まっています。しかし、2025年には4億7千万人に達し、全体の39%まで増える見込みです。

スマホ普及率

携帯端末のうちスマホの割合は2020年で48%、2025年には全体の64%がスマホになると予測されています。なかでもスマホ普及率が高いのが、ナイジェリア、南アフリカ、ケニアの三か国です。2025年にはナイジェリアで1億6300万件、南アフリカで8900万件、ケニアで5200万件の回線がスマホからになると予測されています。

モバイル産業がもたらす付加価値

2020年にサハラ以南アフリカで、モバイル産業から生み出された付加価値は1320億米ドルです。これはこの地域のGDPの8%にあたります。

パンデミックで進んだデジタル化

サハラ以南アフリカで、2020年に初めて携帯電話でインターネットを使った人は3300万人におよび、新規インターネットユーザー数としては過去最高を記録しました。その背景として、コロナ禍で行われたロックダウンの影響で、仕事や教育など多くの社会的な関わりがインターネットを介して行われるようになったことがあります。

ビィ・フォアードが以前行った「コロナ禍での生活の変化」に関するアンケートでも、「ネットショッピング」、「メディアの活用」、「在宅勤務」が増えたという意見が多く見られました。

アフリカで台頭するデジタルプラットフォームやストリーミング産業

ロックダウンの影響で、教育、健康、ファイナンス、ショッピングなどの多くの生活関連のデジタルプラットフォームが台頭し、資金を調達しています。ソフトバンクグループはナイジェリアのフィンテック企業OPayに4億米ドルを出資し、Opayは中東への足掛かりとしてエジプトにも進出しました。また、アフリカ11か国に展開するECサイトJumiaは、2020年上半期の取引が50%増加したと報告しており、消費者がオンラインショッピングをする機会が増えたことを示唆しています。アフリカにはこうしたデジタルプラットフォームが1200以上あり、その8割はナイジェリア、南アフリカ、ケニア、エジプト、ガーナの5か国から生まれています。

また近年アフリカでは、NetflixやShowmaxなどのストリーミングサービスが人気となっています。今後も人口増加が見込まれるアフリカは、ストリーミング産業にとって次なる大きなマーケットなのです。パンデミックの影響によるロックダウン中、南アフリカのVodacomは携帯電話からのNetflixの視聴が65%も増えたと報告しています。これらの動きを受けて、Netflixはアフリカの様々な文化に合った番組や映画を配信すべく、2020年5月からアフリカでの撮影・配信を開始しています。今後、5Gの普及とともに、さらなるユーザーの増加が期待されています。(現在は3Gが主流)

モバイル市場国別ランキング

次に、携帯回線数やユーザー数に基づいたモバイル市場の国別ランキングをご紹介します。こちらは、北アフリカ地域を含みます。

1位:ナイジェリア

2022年のナイジェリアの携帯回線数は2億件弱。うち1億6300万件がスマホで、アフリカで最も多い数字となっています。

2050年には3億人、2100年には1億人を超えるとされるナイジェリアの人口。引き続き、モバイル市場は拡大を続けるでしょう。

2位:南アフリカ

2022年の南アフリカの携帯回線数は1億件あり、これは人口の180%にあたります。複数キャリアと契約しているユーザーが多いため、100%を超えています。インターネット普及率は68%で、8900万人以上がスマホユーザーです。

3位:エジプト

2022年のエジプトの携帯ユーザー数は9800万人で、これは人口の93%にあたります。インターネット普及率は72%です。

4位:ケニア

2022年のケニアの携帯回線数は6400万件あり、これは人口の131%にあたります(複数キャリアと契約しているユーザーが多い)。ナイジェリア、南アフリカに次いでスマホが普及しており、5200万件の回線がスマホからになります。

5位:エチオピア

2022年のエチオピアの携帯回線数は5800万件で、これは人口の49%にあたります。インターネット普及率は上位の他国と比べると低く、25%です。しかし、エチオピア政府は近年、通信市場の自由化を進めており、2021年にはケニアのサファリコム(Vodacomグループ)が初の民間企業として通信事業に乗り出したため、今エチオピアのデジタル市場に注目が集まっています。

6位:タンザニア

2022年のタンザニアの携帯回線数は5300万件で、これは人口の86%にあたります。インターネット普及率はエチオピアと同じく25%程度です。

7位:モロッコ

2022年のモロッコの携帯回線数は4800万件で、人口の129%にあたります(複数キャリアと契約しているユーザーが多い)。

8位:アルジェリア

2022年のアルジェリアの携帯回線数は4600万件で、人口の103%にあたります(複数キャリアと契約しているユーザーが多い)。

9位:ガーナ

2022年のガーナの携帯回線数は4500万件で、人口の140%にあたります(複数キャリアと契約しているユーザーが多い)。インターネットユーザー数は1700万人で、普及率は53%です。

10位:コンゴ民主共和国

2022年のコンゴ民主共和国の携帯回線数は4400万件です。人口増加率が非常に高く、2050年には人口が2億人、2100年には3億人を超えると予測されているため、今後もモバイル市場は増加を続けるでしょう。

まとめ

アフリカの携帯電話ユーザーとスマホ普及率はこれからも増加していくと予測されています。コロナ禍でデジタル化に拍車がかかり、今後も新たなデジタルプラットフォームや画期的なサービスの台頭に注目が集まっています。多国籍企業にとっても、デジタル化が進むことによって消費者との接点が増え、アフリカへの市場参入は以前と比較してハードルの低いものとなってきています。

ビィ・フォアードでは、アフリカの生の声が聞けるアフリカ市場調査サービス、月間6,000万PVのウェブサイトで宣伝広告できるバナー広告サービス、物流網を生かした海外輸出・発送サービス、など、アフリカで市場参入・拡大したい企業様向けのサービスをご用意しています。

アフリカビジネスにご興味のある方は、お気軽にお問合せください。


<参考文献>

GSMA “The Mobile Economy Sub-Saharan Africa 2021”

statista “Mobile penetration rate in Sub-Saharan Africa from 2012 to 2025”

Further Africa “African countries with the highest number of mobile phones”

今村 蓉子
今村 蓉子
アフリカはじめ世界に月間1万2千台の中古車を輸出する㈱ビィ・フォア―ドのデジタルマーケティング部・チームマネージャー。 大学在学時にケニアを訪れた際、そのエネルギーに魅了され、アフリカに必ず戻ってくると心に決める。貿易会社を退職後、青年海外協力隊としてタンザニアの田舎でコミュニティー開発に携わる。 ビィ・フォアードでは、アフリカ各国で提携している現地エージェントの人材育成やシステム改善、アフリカ内陸国への輸送を行うデリバリーサービスの開拓、ビィ・フォアードの広告塔として世界各地で代理販売を行うビィ・フォアードサポーターズ(会員20万人)の立ち上げ、オンライン集客などに従事する。

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