日曜日, 12月 10, 2023

これでアフリカ各国の市場規模がわかる!アフリカ先進国ランキング

アフリカといえば、地域紛争、貧困、エイズなどの問題を抱える地域というイメージがこれまで強かったですが、近年は経済成長やスタートアップ企業の台頭など、市場のポテンシャルに注目が集まっています。2000年から2010年までのサハラ以南アフリカの経済成長率は常にプラスを記録し、援助の対象国としてではなく、貿易相手や企業の参入地域として見られるようになってきました。また、2050年には世界人口の4分の1がアフリカになると予測され、市場の拡大や多様化が期待されており、ビジネス強化の動きが高まっています。2020年にはCOVID-19のパンデミックの影響により経済が悪化しましたが、2021年から回復傾向にあり、世界銀行によると、2022年のアフリカの経済成長率は3.6%、2023年は3.9%、2024年は4.2%と予測しています。

そんな経済成長で注目されるアフリカですが、56の国・地域があり、その経済規模は様々です。この記事では、アフリカ各国の経済規模や豊かさをランキング形式でご紹介していきます。

アフリカ先進国ランキング(GDPランキング)

まずはアフリカ各国のGDPを見ていきましょう。GDP(国内総生産)は一定期間に国内で生みだされた付加価値の総額で、国の経済規模や豊かさを表します。以下は、2020年の各国のGDPランキングトップ20です。(順位付けはアフリカのみ、アフリカ以外の国は比較参照)

順位地域2020年のGDP
(単位:10億USD)
アメリカ20,893
中国14,687
日本5,040
サハラ以南アフリカ全体 1,706
1ナイジェリア西アフリカ 432
2エジプト北アフリカ 365
3南アフリカ南部アフリカ 335
4アルジェリア北アフリカ 145
5モロッコ北アフリカ 114
6エチオピア東アフリカ 107
7ケニア東アフリカ 100
8ガーナ西アフリカ 70
9タンザニア東アフリカ 62
10コートジボアール西アフリカ 61
11アンゴラ南部アフリカ 53
12リビア北アフリカ 52
13コンゴ民主共和国中央アフリカ 48
14チュニジア北アフリカ 42
15カメルーン西アフリカ 40
16ウガンダ東アフリカ 37
17スーダン北アフリカ 26
18セネガル西アフリカ 24
19ザンビア南部アフリカ 18
20ジンバブエ南部アフリカ 18
世界銀行GDPデータを元に筆者が作成

アフリカではナイジェリアがGDPランキングで1位、次いでエジプト、南アフリカ、アルジェリア、モロッコ、エチオピア、ケニアという結果になっています。ナイジェリアはアフリカ最大の産油国で、アルジェリアはアフリカ最大の天然ガス輸出国です。近年の原油価格の上昇の影響で経済が押し上げられていることが経済成長の一因と考えられます。また、ナイジェリアはアフリカ最大の人口を保有し、2050年には人口が3億人を超えると予測されており、アフリカ最大の経済大国として注目を集めています。

ひとりあたりGDPランキング

次に、ひとりあたりGDPを見ていきましょう。ひとりあたりGDPとは、GDPを人口で割った数値で、国民ひとりの平均的な豊かさの指標として参考になります。以下は各国の2020年のひとりあたりGDPランキングです。太字で表記しているのは人口が1,000万人以上の国で、細字は人口の少ない小国になります。

順位2020年のひとりあたりGDP
(USD)
アメリカ63,028
日本39,918
1セーシェル12,194
中国10,409
2モーリシャス 8,633
3リビア 7,614
4赤道ギニア 7,198
5ガボン 6,882
6ボツワナ 6,349
7南アフリカ 5,656
8ナミビア 4,157
9チュニジア 3,597
10エジプト 3,596
11エスワティニ 3,435
12アルジェリア 3,307
13ジプチ 3,220
14カーボヴェルデ 3,064
15モロッコ 3,059
16コートジボアール 2,326
17ガーナ 2,254
18サントメプリンシペ 2,158
19ナイジェリア 2,097
20コンゴ共和国 1,900
21ケニア 1,872
22モーリタニア 1,702
23アンゴラ 1,631
24カメルーン 1,537
サハラ以南アフリカ全体 1,502
25セネガル 1,463
26コモロ 1,407
27ベナン 1,291
28ジンバブエ 1,215
29ギニア 1,079
30タンザニア 1,076
31レソト 1,051
32ザンビア 985
33エチオピア 936
34トーゴ 915
35マリ 862
36ブルキナファソ 858
37ウガンダ 822
38ルワンダ 786
39ガンビア 757
40ギニアビサウ 728
41チャド 652
42マラウィ 636
43スーダン 615
44リベリア 601
45ニジェール 568
46コンゴ民主共和国 544
47シエラレオネ 509
48中央アフリカ 482
49マダガスカル 478
50モザンビーク 449
51ソマリア 438
52ブルンジ 234
世界銀行ひとりあたりGDPデータを元に筆者が作成

ランキング上位10か国のうち、セーシェル、モーリシャス、リビア、赤道ギニア、ガボン、ボツワナ、ナミビアは人口1000万人以下の小さい国であるため、小国の特殊要因が影響している可能性があります。人口1,000万人以上の国のみで比較すると、アフリカでは南アフリカのひとりあたりGDPが最も高く、次いで、チュニジア、エジプト、アルジェリア、モロッコ、ガーナ、ナイジェリア、ケニア、カメルーン、セネガルが上位10か国に入ります。

高度経済成長期の日本と匹敵するアフリカ経済

アフリカ各国のひとりあたりGDPをかつての日本と比較すると、経済成長率が実質10%以上あった高度経済成長期の日本に匹敵します。ナイジェリアのひとりあたりGDP $2,097は1970年頃の日本と同じくらいで、エジプトの$3,596は1973年頃、南アフリカの$5,656は高度成長期を終えた1976年頃と同じくらいです。

ひとりあたりGDPが$1,800を超えたケニアでは、いわゆる「ハイパーマーケット」と呼ばれる、食料品や家電や衣料品など多くの商品を取り扱うスーパーマーケットが多数参入しています。フランスの小売り大手カルフールは2021年時点で10店舗、地場スーパーのナイバスは2020年時点で64店舗を展開しています。スーパーの他にも、大型家電量販店や、ケンタッキーフライドチキン、ドミノピザ、サブウェイ、バーガーキングなどの欧米のファーストフード店も進出しており、地場のファーストフード店やアフリカ発のチェーン店も多数存在します。

ひとりあたりGDPが$1,000を超えたタンザニアは、1966年頃の日本と匹敵します。東京オリンピックで景気が盛り上がり、自動車生産台数が世界第二位となった頃です。ケニアほどの大型スーパーマーケットや量販店はまだ進出していませんが、近年、ケンタッキーフライドチキンとピザハットが参入するなどの動きを見せています。特に主都のダルエスサラームでは年々高層ビルの開発が進んでいます。

ひとりあたりGDPが$600程度のマラウィや、$450程度のモザンビークはアフリカの中でも経済発展が遅れているように思われますが、どちらの国もビィ・フォアードでは中古車の売上台数がトップ10に入ってくる国です。

まとめ

パンデミックやロシアのウクライナ侵攻によって全世界で低迷していた経済活動ですが、2021年から回復を見せ、アフリカ各国でも引き続き経済成長が予測されています。今後、人口増加によってさらなる消費市場拡大が見込まれるアフリカ地域に参入を考える企業も多いのではないでしょうか。

ビィ・フォアードでは、物流網を生かした海外輸出・発送サービス、アフリカの生の声が聞けるアフリカ市場調査サービス、月間6,000万PVのウェブサイトで宣伝広告できるバナー広告サービスなど、アフリカで市場参入・拡大したい企業様向けのサービスをご用意しています。

アフリカビジネスにご興味のある方は、お気軽にお問合せください。

<参考文献> 世界銀行発表, 世界銀行データ

今村 蓉子
今村 蓉子
アフリカはじめ世界に月間1万2千台の中古車を輸出する㈱ビィ・フォア―ドのデジタルマーケティング部・チームマネージャー。 大学在学時にケニアを訪れた際、そのエネルギーに魅了され、アフリカに必ず戻ってくると心に決める。貿易会社を退職後、青年海外協力隊としてタンザニアの田舎でコミュニティー開発に携わる。 ビィ・フォアードでは、アフリカ各国で提携している現地エージェントの人材育成やシステム改善、アフリカ内陸国への輸送を行うデリバリーサービスの開拓、ビィ・フォアードの広告塔として世界各地で代理販売を行うビィ・フォアードサポーターズ(会員20万人)の立ち上げ、オンライン集客などに従事する。

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