アフリカといえば、地域紛争、貧困、エイズなどの問題を抱える地域というイメージがこれまで強かったですが、近年は経済成長やスタートアップ企業の台頭など、市場のポテンシャルに注目が集まっています。2000年から2010年までのサハラ以南アフリカの経済成長率は常にプラスを記録し、援助の対象国としてではなく、貿易相手や企業の参入地域として見られるようになってきました。また、2050年には世界人口の4分の1がアフリカになると予測され、市場の拡大や多様化が期待されており、ビジネス強化の動きが高まっています。2020年にはCOVID-19のパンデミックの影響により経済が悪化しましたが、2021年から回復傾向にあり、世界銀行によると、2022年のアフリカの経済成長率は3.6%、2023年は3.9%、2024年は4.2%と予測しています。
そんな経済成長で注目されるアフリカですが、56の国・地域があり、その経済規模は様々です。この記事では、アフリカ各国の経済規模や豊かさをランキング形式でご紹介していきます。
アフリカ先進国ランキング(GDPランキング)
まずはアフリカ各国のGDPを見ていきましょう。GDP(国内総生産)は一定期間に国内で生みだされた付加価値の総額で、国の経済規模や豊かさを表します。以下は、2020年の各国のGDPランキングトップ20です。(順位付けはアフリカのみ、アフリカ以外の国は比較参照)
順位 | 国 | 地域 | 2020年のGDP (単位:10億USD) |
ー | アメリカ | ー | 20,893 |
ー | 中国 | ー | 14,687 |
ー | 日本 | ー | 5,040 |
ー | サハラ以南アフリカ全体 | ー | 1,706 |
1 | ナイジェリア | 西アフリカ | 432 |
2 | エジプト | 北アフリカ | 365 |
3 | 南アフリカ | 南部アフリカ | 335 |
4 | アルジェリア | 北アフリカ | 145 |
5 | モロッコ | 北アフリカ | 114 |
6 | エチオピア | 東アフリカ | 107 |
7 | ケニア | 東アフリカ | 100 |
8 | ガーナ | 西アフリカ | 70 |
9 | タンザニア | 東アフリカ | 62 |
10 | コートジボアール | 西アフリカ | 61 |
11 | アンゴラ | 南部アフリカ | 53 |
12 | リビア | 北アフリカ | 52 |
13 | コンゴ民主共和国 | 中央アフリカ | 48 |
14 | チュニジア | 北アフリカ | 42 |
15 | カメルーン | 西アフリカ | 40 |
16 | ウガンダ | 東アフリカ | 37 |
17 | スーダン | 北アフリカ | 26 |
18 | セネガル | 西アフリカ | 24 |
19 | ザンビア | 南部アフリカ | 18 |
20 | ジンバブエ | 南部アフリカ | 18 |
アフリカではナイジェリアがGDPランキングで1位、次いでエジプト、南アフリカ、アルジェリア、モロッコ、エチオピア、ケニアという結果になっています。ナイジェリアはアフリカ最大の産油国で、アルジェリアはアフリカ最大の天然ガス輸出国です。近年の原油価格の上昇の影響で経済が押し上げられていることが経済成長の一因と考えられます。また、ナイジェリアはアフリカ最大の人口を保有し、2050年には人口が3億人を超えると予測されており、アフリカ最大の経済大国として注目を集めています。
ひとりあたりGDPランキング
次に、ひとりあたりGDPを見ていきましょう。ひとりあたりGDPとは、GDPを人口で割った数値で、国民ひとりの平均的な豊かさの指標として参考になります。以下は各国の2020年のひとりあたりGDPランキングです。太字で表記しているのは人口が1,000万人以上の国で、細字は人口の少ない小国になります。
順位 | 国 | 2020年のひとりあたりGDP (USD) |
ー | アメリカ | 63,028 |
ー | 日本 | 39,918 |
1 | セーシェル | 12,194 |
ー | 中国 | 10,409 |
2 | モーリシャス | 8,633 |
3 | リビア | 7,614 |
4 | 赤道ギニア | 7,198 |
5 | ガボン | 6,882 |
6 | ボツワナ | 6,349 |
7 | 南アフリカ | 5,656 |
8 | ナミビア | 4,157 |
9 | チュニジア | 3,597 |
10 | エジプト | 3,596 |
11 | エスワティニ | 3,435 |
12 | アルジェリア | 3,307 |
13 | ジプチ | 3,220 |
14 | カーボヴェルデ | 3,064 |
15 | モロッコ | 3,059 |
16 | コートジボアール | 2,326 |
17 | ガーナ | 2,254 |
18 | サントメプリンシペ | 2,158 |
19 | ナイジェリア | 2,097 |
20 | コンゴ共和国 | 1,900 |
21 | ケニア | 1,872 |
22 | モーリタニア | 1,702 |
23 | アンゴラ | 1,631 |
24 | カメルーン | 1,537 |
ー | サハラ以南アフリカ全体 | 1,502 |
25 | セネガル | 1,463 |
26 | コモロ | 1,407 |
27 | ベナン | 1,291 |
28 | ジンバブエ | 1,215 |
29 | ギニア | 1,079 |
30 | タンザニア | 1,076 |
31 | レソト | 1,051 |
32 | ザンビア | 985 |
33 | エチオピア | 936 |
34 | トーゴ | 915 |
35 | マリ | 862 |
36 | ブルキナファソ | 858 |
37 | ウガンダ | 822 |
38 | ルワンダ | 786 |
39 | ガンビア | 757 |
40 | ギニアビサウ | 728 |
41 | チャド | 652 |
42 | マラウィ | 636 |
43 | スーダン | 615 |
44 | リベリア | 601 |
45 | ニジェール | 568 |
46 | コンゴ民主共和国 | 544 |
47 | シエラレオネ | 509 |
48 | 中央アフリカ | 482 |
49 | マダガスカル | 478 |
50 | モザンビーク | 449 |
51 | ソマリア | 438 |
52 | ブルンジ | 234 |
ランキング上位10か国のうち、セーシェル、モーリシャス、リビア、赤道ギニア、ガボン、ボツワナ、ナミビアは人口1000万人以下の小さい国であるため、小国の特殊要因が影響している可能性があります。人口1,000万人以上の国のみで比較すると、アフリカでは南アフリカのひとりあたりGDPが最も高く、次いで、チュニジア、エジプト、アルジェリア、モロッコ、ガーナ、ナイジェリア、ケニア、カメルーン、セネガルが上位10か国に入ります。
高度経済成長期の日本と匹敵するアフリカ経済
アフリカ各国のひとりあたりGDPをかつての日本と比較すると、経済成長率が実質10%以上あった高度経済成長期の日本に匹敵します。ナイジェリアのひとりあたりGDP $2,097は1970年頃の日本と同じくらいで、エジプトの$3,596は1973年頃、南アフリカの$5,656は高度成長期を終えた1976年頃と同じくらいです。
ひとりあたりGDPが$1,800を超えたケニアでは、いわゆる「ハイパーマーケット」と呼ばれる、食料品や家電や衣料品など多くの商品を取り扱うスーパーマーケットが多数参入しています。フランスの小売り大手カルフールは2021年時点で10店舗、地場スーパーのナイバスは2020年時点で64店舗を展開しています。スーパーの他にも、大型家電量販店や、ケンタッキーフライドチキン、ドミノピザ、サブウェイ、バーガーキングなどの欧米のファーストフード店も進出しており、地場のファーストフード店やアフリカ発のチェーン店も多数存在します。
ひとりあたりGDPが$1,000を超えたタンザニアは、1966年頃の日本と匹敵します。東京オリンピックで景気が盛り上がり、自動車生産台数が世界第二位となった頃です。ケニアほどの大型スーパーマーケットや量販店はまだ進出していませんが、近年、ケンタッキーフライドチキンとピザハットが参入するなどの動きを見せています。特に主都のダルエスサラームでは年々高層ビルの開発が進んでいます。
ひとりあたりGDPが$600程度のマラウィや、$450程度のモザンビークはアフリカの中でも経済発展が遅れているように思われますが、どちらの国もビィ・フォアードでは中古車の売上台数がトップ10に入ってくる国です。
まとめ
パンデミックやロシアのウクライナ侵攻によって全世界で低迷していた経済活動ですが、2021年から回復を見せ、アフリカ各国でも引き続き経済成長が予測されています。今後、人口増加によってさらなる消費市場拡大が見込まれるアフリカ地域に参入を考える企業も多いのではないでしょうか。
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