アフリカは「地球最後のフロンティア」と呼ばれており、今後もさらなる成長が見込まれています。
世界中から多くの投資を集めており、将来にわたる経済発展に対する期待の高さがうかがえます。
多くの日本企業もアフリカビジネスへ進出しており、現地には1200以上の海外拠点があります(外務省、海外進出日系企業拠点数調査より)。
これからアフリカへ事業進出したい、と興味を持つ方も増えています。
アフリカビジネスへの投資を成功させるうえで重要なのは、どの国へ投資・事業展開すべきかをしっかり調査することです。
この記事では、対内直接投資が大きいアフリカ諸国のランキングを紹介します。
海外からの投資をたくさん受け入れ、活発にプロジェクトが進んでいる国を把握できます。
また、データと現地の情報をもとに、アフリカビジネスで投資すべき国を理由とあわせて紹介します。
投資をおすすめしたい国は下の5つです。
・南アフリカ
・エジプト
・モロッコ
・タンザニア
・ケニア
アフリカへのビジネス展開に興味があり、投資に向いている国やリスクを知りたい方、ぜひこの記事をお読みください!
海外からのビジネス投資の活発さを表す対内直接投資
対内直接投資とは、ある国でビジネスをおこなうために、海外から入ってくる投資の総額のことです。
たとえば、企業買収や現地法人の設立を通じてエジプトでビジネスに加わると、エジプトの対内直接投資に計上されます。
対内直接投資の金額が大きい国は、外国から多くのビジネス投資を受け入れていると解釈できます。
つまりそれだけ、その国での経済活動が活発に行われている可能性が高いわけです。
ちなみに、対内直接投資の金額はマイナスの値もとりえます。
その場合は、以前ある国に投資された資本が、引き上げてしまったことを意味します。
【2024年最新】アフリカの対内直接投資額ランキング
対内直接投資の意味をつかんだところで、アフリカで対内直接投資が大きい国のランキングを見てみましょう。
データは、世界銀行が公表している「対内直接投資額(最新版、データは2022年時点)」にもとづいています。
アフリカでの対内直接投資額ランキングは、下の表をご覧ください!
順位 | 国名 | 対内直接投資(単位:1億アメリカドル) |
1 | エジプト | 114.00 |
2 | 南アフリカ | 91.95 |
3 | エチオピア | 36.70 |
4 | モザンビーク | 30.22 |
5 | ウガンダ | 29.53 |
6 | セネガル | 25.86 |
7 | モロッコ | 21.78 |
8 | コンゴ民主共和国 | 18.46 |
9 | コートジボワール | 15.99 |
10 | ガーナ | 15.11 |
11 | モーリタニア | 14.02 |
12 | タンザニア | 12.65 |
13 | ガボン | 11.05 |
14 | ナミビア | 10.56 |
15 | ニジェール | 9.66 |
16 | リベリア | 9.60 |
17 | カメルーン | 9.26 |
18 | マリ | 7.15 |
19 | ブルキナファソ | 6.70 |
20 | ギニア | 6.58 |
21 | チュニジア | 6.43 |
22 | ソマリア | 6.36 |
23 | チャド | 6.14 |
24 | スーダン | 5.74 |
25 | コンゴ共和国 | 5.32 |
26 | マダガスカル | 4.68 |
27 | 赤道ギニア | 4.59 |
28 | ルワンダ | 3.99 |
29 | ケニア | 3.94 |
30 | ジンバブエ | 3.42 |
31 | シエラレオネ | 2.94 |
32 | ベナン | 2.67 |
33 | モーリシャス | 2.52 |
34 | マラウイ | 2.43 |
35 | ガンビア | 2.31 |
36 | ボツワナ | 2.16 |
37 | セーシェル | 1.90 |
38 | ジブチ | 1.87 |
39 | サントメ・プリンシペ | 1.27 |
40 | カーボベルデ | 1.22 |
41 | アルジェリア | 0.76 |
42 | 中央アフリカ | 0.24 |
43 | ギニアビサウ | 0.22 |
44 | エスワティニ | 0.13 |
45 | ブルンジ | 0.13 |
46 | コモロ | 0.04 |
47 | レソト | -0.08 |
48 | ザンビア | -0.65 |
49 | ナイジェリア | -1.87 |
50 | トーゴ | -2.27 |
51 | アンゴラ | -65.99 |
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アフリカでのビジネス投資の注目国5選を紹介

対内直接投資が比較的大きい国の中でも、アフリカビジネスへ向けての投資におすすめできる国を5つ紹介します!
対内直接投資が大きいからといって、日本からの投資に向いている、とは限りません。
ビジネス向けの投資に適しているかは、その国の法制度や経済・社会情勢、さまざまな慣習によっても決まります。
これらの制度や情勢、慣習もふまえた上で、アフリカでのビジネス投資先として注目すべき国5選を見ていきましょう。
【注目国1】南アフリカ
対内直接投資ランキングでは、アフリカで2位の投資額を記録しました。
2019〜22年の対内直接投資の平均額は、アフリカ諸国でもっとも多い金額です。
安定して、海外から多くの投資を呼び込んでいると評価できます。
南アフリカは、アフリカ南部地域における経済の中核として機能しています。
最も多くの金融資産が集まるアフリカの国としても知られています。
海外からの投資が以前から続いているため、企業の集積も進んでいます。
企業が集まってくる背景として、海外からの投資がしやすい環境や制度も整っていると考えられます。ビジネス進出に向いている国と言えるでしょう。
しかし、人種間での経済格差や不安定な政治・社会情勢など、いくつかの課題も残されています。
これらの点が、南アフリカへ投資するうえでのリスクだと言えそうです。
【注目国2】エジプト
2022年において、アフリカでもっとも多くの対内直接投資を受け入れたのがエジプトです。
コロナ禍の影響を受けてしばらくの間、直接投資額は落ち込んでいました。
しかし、コロナ後は回復を見せています。
エジプトはアフリカの中でもトップクラスの経済規模を誇る国です。
首都カイロを中心に発展しており、世界中の多くの国から投資を集めています。
一方で、足元では
・ウクライナ・ロシア問題による食糧価格など物価の高騰
・激しい通貨安
などの課題を抱えています。
しばらくの間はマクロ経済が不安定な状況が続くと見込まれます。
エジプトへの投資に興味がある方は、情報収集をしっかり続け良いタイミングをみはからいましょう。
【注目国3】モロッコ
モロッコは、2022年の対内直接投資額が20億ドル以上あり、アフリカ第7位の国となりました。
実質GDPもアフリカで5位となっており、大きな経済規模を有している国です。
モロッコは、整った法制度や安定した政治・社会情勢が続いています。
日本からの投資リスクは比較的低いと考えられます。
実際に、日本からも数多くの企業がモロッコへと事業展開しています。
現地に進出している日系企業は70社あり、5万人程度の雇用を創出していると見込まれています(外務省調べ)。
【注目国4】タンザニア
2022年、アフリカの対内直接投資ランキングでは、タンザニアは第11位でした。
ビジネス投資をおすすめする5つの国の中では、もっとも実質GDPが小さいです。
しかし、マーケットが小さいから投資に向いていないのでは…と心配する必要はありません。
実質GDPに対する対内直接投資額で見ると、モロッコに匹敵するくらいの投資規模となります。
経済の大きさから見ると、海外からの投資がむしろ活発に流れ込んでいると考えられます。
JETROが2023年度に実施した調査でも、3割の企業が今後注目する国としてタンザニアをあげました。
32.8%の企業が注目すると回答した南アフリカについで、4番目に多くの企業がタンザニアに関心を抱いています。
また、日本から輸出された中古車の輸入量はアフリカ2位の多さとなっています。
タンザニア国内では自動車に対する需要が大きく、経済活動や貿易も活発であることがうかがえます。
日本・海外からも多くの企業が進出しており、タンザニアでのビジネスには大きな伸びしろがあると言えるでしょう。
●関連記事:ケニア・タンザニアで人気のSNSとは?アフリカのソーシャルメディア利用実態調査
【注目国5】ケニア
ケニアはランキングでは海外からの投資額は23位となっており、受け入れた投資金額が少なそうに見えます。
しかしコロナ禍を経ても海外からの投資額は長期に渡り安定しています。
ケニアも、海外からの投資が活発におこなわれている国です。
多くの日本企業が、ケニアでの投資に対して強い期待を抱いています。
JETROが2019〜23年度に行った5回すべての調査で、もっとも多くの日本企業が「今後ケニアに注目する」と回答しました。
ケニアでは、モバイル決済・金融サービスを提供するM-PESAが多くのケニア国民に使われています。
国民の9割がM-PESAを使用しているとの調査結果もあるほどです。
インターネットやモバイル端末、そしてそれらを元にした決済システムがすでに構築されているとがわかります。
「リープフロッグ」と呼ばれるように、インフラや技術が急速に整えられ、経済発展につながっているのがうかがえるでしょう。
●関連記事:アフリカ最新ビジネストレンド シリコン・サバンナ、ケニアの現状
●関連記事:リープフロッグ現象がもたらすアフリカの革新
アフリカビジネス投資のリスクや注意点

アフリカでのビジネス投資は、まだまだ伸びしろがあり、とても魅力的です。
一方で投資に際しては、先進国では考えられないリスクもあります。
アフリカでの投資を考えるならば、下にあげた5つの注意点をしっかり調べておきましょう。
・投資したい分野が活発か
・規制や法律が整っているか
・政治や社会情勢は安定しているか
・マクロ経済環境が落ち着いているか
・雇用できる人を探す環境は整っているか
1.投資を考えている分野が活発か
まず何より、自分が投資を考えている分野が活発か、また需要がありそうかを調査しましょう。
ひとことでアフリカと言っても、マーケットの様子は国によってまったく異なります。
「アフリカならこうだろう」という見こみで事業を始めると、あてが外れてしまうでしょう。
投資対象とする国を定めたうえで、しっかりとマーケットを調査する必要があります。
2.投資のための規制や法律が整っているか
自分が投資を考えている国で、規制や法律がきちんと整えられているかも調べておきましょう。
特に、外国人の投資やビジネス活動に対して、科される制限や必要な手続きは必ず知っておくべきです。たとえば次のような内容は下調べが必要となります。
・ビザや入国、税務の手続きは分かりやすくスムーズか
・外国人の出資比率や資産保有に制限はないか
・ビジネスの現場で気をつけるべき、明文化されていない手続きや慣習はないか
3.政治・社会情勢が安定しているか
アフリカでの投資を考える際は、政治や社会情勢が安定しているかも、情報を集めなければなりません。
特に、紛争の有無や治安の悪さは必ず見ておくべきです。
治安の悪いエリアや紛争が続く地域では、安定してビジネスを続けることは難しく、生活すらままなりません。
また、政治情勢が安定しているかも、投資先の選定では重要です。
デモやクーデターの発生をしらせる報道がないか、あわせて見ておきましょう。
安全情報については、外務省が発表している海外安全ホームページをあたることをおすすめします。
4.マクロ経済の環境が安定しているか
マクロ経済の環境が安定しているかも、海外からの投資を考える上では重要です。
特に、激しい物価上昇や為替レートの暴落が起きているような国は、しばらく投資を見送るのが賢明でしょう。
マクロ経済が不安定だと、将来を見越して投資戦略を立てるのが難しくなります。
また、人々の生活も悪い影響を受けることが多く、政治・社会情勢も乱れるリスクが一段と高まります。
5.雇用できる人を探す環境が整っているか
投資先に向いていそうな国があったら、雇用できる人を探す環境が整っているかを調査しましょう。
アフリカでビジネスを展開するには、現地スタッフの力が欠かせません。
その際に、雇える従業員を探す場所がなければ、ビジネスは暗礁に乗り上げてしまうでしょう。
また現地で雇用契約を結ぶ際には、労働法規や慣習の知識も必要になります。
従業員を探すためには、投資先の国とつながりがある人や組織に、協力を仰ぐことが重要です。
●関連記事:21世紀最大のビジネスフロンティア、アフリカへ進出する日本企業を紹介!
アフリカでのビジネス投資に向けて、現地調査をサポートします!
アフリカでのビジネス投資を進めるなら、現地の情報収集が欠かせません。
しかし実際にアフリカの現地情報を調べると、多くの方が悩みに直面します。
・どの国に投資すればよいのか判断がつかない
・自社製品をどこに事業展開できるか、詳しい人と相談しながら決めたい
・現地マーケットの様子を調査して欲しい
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参照元:
外務省 海外進出日系企業拠点数調査
外務省 海外安全ホームページ
世界銀行 DataBank
JETRO ビジネス短信
JETRO 2023年度 海外進出日系企業実態調査(アフリカ編)