金曜日, 9月 13, 2024

アフリカでビジネスする際に必要な言語は?先進国ランキングトップ20か国の言語事情

2023年のアフリカの経済成長率は3.9%と予測され、その市場のポテンシャルに注目が集まっています。この記事では、アフリカの“経済大国”として注目される国々で話されている言語や、アフリカの言語事情をご紹介します。

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アフリカ先進国(GDP)トップ20か国で話されている言語

地域公用語・国語その他の言語
ナイジェリア西アフリカ英語ハウサ語、ヨルバ語、
イボ語、フラ語など
エジプト北アフリカアラビア語英語、フランス語など
南アフリカ南部アフリカアフリカーンス、英語、ズールー語、ソト語、北ソト語、スワジ語、コサ語、南ンデベレ語、ツォンガ語、ツワナ語、ヴェンダ語
アルジェリア北アフリカアラビア語、ベルベル語フランス語
モロッコ北アフリカアラビア語フランス語、ベルベル語
エチオピア東アフリカアムハラ語、オロモ語、アファル語、ソマリ語、ティグリニャ語英語など
ケニア東アフリカスワヒリ語、英語キクユ語、ルオ語など
ガーナ西アフリカ英語チュイ語、エウェ語、ガ語など
タンザニア東アフリカスワヒリ語、英語スクマ語、ニャキュサ語、ハヤ語、マサイ語など
コートジボアール西アフリカフランス語ジュラ語など
アンゴラ南部アフリカポルトガル語ウンブンドゥ語など
リビア北アフリカアラビア語イタリア語、英語
コンゴ民主共和国中央アフリカフランス語リンガラ語、キングワナ語、スワヒリ語、コンゴ語、チルバ語
チュニジア北アフリカアラビア語フランス語
カメルーン西アフリカ英語、フランス語フラ語など
ウガンダ東アフリカ英語ガンダ語、スワヒリ語など
スーダン北アフリカアラビア語英語、ヌビア語など
セネガル西アフリカフランス語フラ語、ウォロフ語、セレール語など
ザンビア南部アフリカ英語ベンバ語、ニャンジャ語、トンガ語など
ジンバブエ南部アフリカ英語ショナ語、ンデベレ語など

アフリカの複雑な言語事情

56の国や地域があるアフリカでは、2000以上もの言語が存在します。多民族が居住することに加えて、移住生活を行っていた一族と他の集団が交流などを繰り返すことによって、多様な言語が派生したといわれています。また、植民地支配の歴史やキリスト教の布教活動などにより、ヨーロッパ諸国の言語が公用語として広く採用されています。それぞれの言語事情は国、住んでいる地域(都市、農村)、年齢などの違いにより、様々です。家で話すことば、職場で話すことば、行政手続きに使うことばが異なることもあり、アフリカではバイリンガルやトリリンガルが珍しくありません。

ナイジェリアの例

アフリカの経済大国として注目を集めるナイジェリア。英語が公用語で、議会や官庁、行政手続きなどオフィシャルな場で使われています。一方、家庭で話されている言語として英語は7%程度に留まり、ハウサ語が32%、ヨルバ語が17%、イボ語が13%と英語を上回ります。多民族が居住し、500以上も言語がある背景から、共通言語として英語が使われています。ただし、実際には多くの人がピジン英語と呼ばれる、現地語と英語から派生したことばを共通語として使っています。大卒レベルだと流暢な英語を話しますが、高卒レベルだとピジン英語を使うことが多く、ナイジェリアの特に都市部ではピジンが最も話されています。都市部でビジネスをする際は英語を押さえておけば、ほぼ問題ありません。一般消費財を取り扱われていて、顧客心理を深く調査したいといった場合や、農村地域もターゲットになる場合には英語以外の言語が広く使われている可能性があるので注意で必要です。

タンザニア・ケニアの例

タンザニアには約130の民族が居住し、多くの人が共通言語としてスワヒリ語を話します。都市部ではほとんど民族語は使われず、スワヒリ語で話すことが一般的です。農村部の年配層では部族語しか話さない人もいますが、ビジネスを行う上で部族語が必要となることはレアケースです。中等教育からは公用語である英語で授業が行われ(ることになってい)ますが、実際に英語で円滑なコミュニケーションがとれるのは大卒レベルの人という印象です。ビジネスを行う際には、大卒レベルの現地パートナーや企業と組む場合には、英語で十分にコミュニケーションがとれます。一般消費財のターゲットをより理解したい場合などには、英語とともにスワヒリ語も押さえておくと心強いです。

一方で、お隣のケニアでは、英語教育がより進んでいて、大学卒でなくても英語を話せる人が多いです。特に都市部であれば、英語を押さえておけばビジネスが進められるという印象です。もちろん、どの国や地域でも、現地の言葉で挨拶すると喜んでもらえるので、いくつか現地の言葉を覚えていくことをお勧めします。

ターゲットとする国や顧客層を理解することが大切

ビジネスをする上で必要な言語は、どのくらいローカライゼーションを行うかにより異なります。ある程度グローバルな現地パートナーと提携する場合であれば、公用語を押さえておけば大丈夫でしょう。よりローカルに根差した事業を展開しようとする場合には、母国語や母語でのコミュニケーションが有利に働くことが多いです。

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まとめ

アフリカと一言で言っても、その言語事情は国や地域、年齢や受けた教育レベルによって異なります。多様性溢れるアフリカだからこそ、ビジネス進出する際には、現地の文化やターゲットとする集団を理解し、戦略を立てていくことが重要です。

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<参考文献>

Statista

外務省

今村 蓉子
今村 蓉子
アフリカはじめ世界に月間1万2千台の中古車を輸出する㈱ビィ・フォア―ドのデジタルマーケティング部・チームマネージャー。 大学在学時にケニアを訪れた際、そのエネルギーに魅了され、アフリカに必ず戻ってくると心に決める。貿易会社を退職後、青年海外協力隊としてタンザニアの田舎でコミュニティー開発に携わる。 ビィ・フォアードでは、アフリカ各国で提携している現地エージェントの人材育成やシステム改善、アフリカ内陸国への輸送を行うデリバリーサービスの開拓、ビィ・フォアードの広告塔として世界各地で代理販売を行うビィ・フォアードサポーターズ(会員20万人)の立ち上げ、オンライン集客などに従事する。

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