木曜日, 2月 19, 2026

アフリカで注目を集める9つの産業を紹介!今後の経済発展とビジネス進出の可能性を解説

「アフリカは発展が遅れた、貧困や紛争の地域」といったイメージは、もはや過去のものになりつつあります。急速な都市化や人口増加、テクノロジーの普及が進み、アフリカではさまざまな産業が育っています

植民地時代の影響で、かつてのアフリカはモノカルチャー経済が主流でした。モノカルチャー経済とは、生産活動や輸出が、限られた種類の農作物や鉱物資源に偏っている経済です。

しかし現在では、製造業やICT、農業や医療・教育のデジタル化など、新たな成長分野も登場しています2016年に経済産業省が報告した当時のアフリカと比べても、今のアフリカは大きく発展を遂げているのです。

この記事では、2025年現在、注目を集めている9つの産業を紹介します。アフリカで有望なビジネスを考えるのに欠かせない情報です。

アフリカでのビジネス進出が少しでも気になる方は、この記事を最後までご覧ください!

アフリカ経済と産業のいま

まずは、アフリカにおける経済や産業の現状を紹介しましょう。

2016年に、経済産業省は「通商白書」において、当時のアフリカ経済の状況と見通しを報告しました。しかしその後10年の間にも、アフリカは大きな発展を続けています。2016年当時と今のアフリカの様子を比べ、アフリカが注目を集める理由を見ていきましょう。

アフリカ経済が発展を続けている現状を、以下の3つのポイントから解説します。

3つのポイント経済産業省の報告(2016年)現在の状況(2025年)
地域ごとに進化する産業・地域で経済情勢・強みとなる市場は異なる。・地域ごとに異なる道筋をたどって産業・経済が発展。
経済統合や自由貿易圏の影響・市場規模の小さな国が多く、地域ごとに経済共同体がいくつか設立。・アフリカ全土での自由貿易を目指すAfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)が発足。48か国が批准。
経済発展と産業の多様化の実態・資源に頼らず産業の多角化を通じて、雇用を生み出す産業の発展が必要。
・海外からのインフラ投資は盛ん。産業への投資はあまり見込めない。
・ICTや金融、観光など、様々な産業分野で発展が見られる。
・インフラだけでなく、スタートアップ企業などへの投資も増加。

それぞれ3つの観点から、より詳しくアフリカの現状を見ていきましょう。

地域ごとに進化する産業構造

アフリカでは、地域ごとに異なる道筋で産業・経済が発展しつつあります。アフリカ全土を一括りにできるわけではありません。

たとえば、ナイジェリアは石油へ依存している経済から脱却すべく、製造業やICTに力を入れています。ケニアは「アフリカのシリコンバレー」として、スタートアップや金融テクノロジーが急成長を見せている状況です。タンザニアでは観光や農業分野が注目されています。

それぞれの国において、活用できる資源や人口構成、政策方針には特徴があり、成長する産業分野も多様化しています。アフリカ全土を一括りにできない点は、2016年の通商白書(経済産業省)でもすでに議論されています。現在は当時と比べて、地域ごとの多様性がより増していると言えそうです。

経済統合と自由貿易圏の影響

アフリカでは、AfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)が2018年に設立されました。AfCFTAとは、アフリカの国同士で関税を撤廃し、国境を越えた取引を目指す組織です。2023年3月時点で、アフリカ46カ国が批准しています。

2016年の通商白書(経済産業省)による報告では、アフリカの地域ごとに小さな経済共同体が併存している状態でした。アフリカ全土での経済統合へ向けた第一歩と言えます。

本格的に域内貿易が進むのはこれからの見込みです。世界銀行の見積もりによれば、自由貿易圏が想定どおり機能し経済統合が進めば、アフリカ全体のGDPは4,500億ドル(およそ67.5兆円)増加すると推計されています。

AfCFTAは、アジアにおけるASEANと同じ立ち位置を目指しており、今後さらに経済基盤が強化されていくと考えられます。

データで見る経済発展と産業の多様化の実態

アフリカ開発銀行のデータによると、アフリカ全体では、サービス産業がGDP全体の50%近くを占めるようになりました。サービス産業では、情報通信(ICT)や金融、観光などの分野で、大きな成長が見られます。

サービス産業が大きな伸びを見せる一方で、製造業も重要な立ち位置を占めていることには変わりありません。また、IT分野を中心とした新しい分野では、スタートアップ企業の立ち上げも活発です。2024年には、アフリカ全体でスタートアップ企業に対して20億ドルもの投資が集まりました。

2016年の通商白書では、雇用を生み出せる産業の発展が大きな課題とされていました。2016年当時と比べると、産業の多様化を通じて資源経済からの脱却が進んでいます。

⚫︎関連記事:将来は世界最大の経済圏へ!「アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)」とは何か
⚫︎関連記事:21世紀最大のビジネスフロンティア、アフリカへ進出する日本企業を紹介!

アフリカで注目される9つの産業を解説!

経済を多角化させながら、急速に成長を続けているアフリカにおいて、いま注目を集めている産業を紹介します。この記事では、以下にあげた9つの産業について詳しく解説します。

・農業とアグリテック
・ICT・モバイルマネーとデジタルサービス
・再生可能エネルギー
・製造業
・物流・EC(電子商取引)と流通インフラ
・ツーリズム
・クリエイティブ
・医療・ヘルスケア
・教育テクノロジー(EdTech)

注目を集める産業の現状から、アフリカ現地で活躍している企業の取り組みまで、まとめて紹介します。アフリカでのビジネスに興味がある方は、ぜひお読みください!

農業とアグリテック

農業はアフリカの経済において重要な役割を担っています。GDPの約22%を占め、60%以上の労働力が従事しています。しかし小規模農家が多数を占めているため、生産性の低さが課題となっていました。

こうした状況を打開する解決策として、アグリテックに注目が集まっています。2014年以降、アフリカでは700件以上のアグリテックに関連する資金調達が行われ、総額15億6,000万ドル(およそ2,340億円)以上が投資されています。

たとえばケニアのTwiga Foodsは、モバイル技術とプラットフォームで農家と小売をつなぎ、効率的な流通を実現しました。同じくケニアのHello Tractorは、スマホでトラクターを共有でき、小規模農家に対して農業の機械化を手助けしています。

⚫︎関連記事:日本とアフリカで輝く女性起業家のビジネス事例(前編:アフリカ人起業家編)
⚫︎関連記事:アフリカの農業を変える|クラウドファーミングの可能性
⚫︎関連記事:なぜアフリカ農業のデジタル化(アグリテック)が加速しているのか?

ICT・モバイルマネーとデジタルサービス

アフリカのICT産業は、モバイル通信の普及により大きく発展してきました。中でもモバイルマネーは金融インフラの代替として勢い良く成長。2024年にはアフリカ全体で1兆1,000億ドル(およそ165兆円)超の取引が処理されました。

ケニアのM-Pesaはモバイルマネーサービスの代表例です。3,400万人のユーザーを抱え、2024年には3,090億ドル(およそ46兆円)もの決済がなされたと見積もられています。ナイジェリアのFlutterwaveは、アフリカ全域で決済サービスを提供し、ユニコーン企業へと成長しました。さらにJumiaなどの大手プラットフォーム企業が電子商取引(eコマース)を拡大しています。

インターネットとデジタルサービス市場が拡大を続け、アフリカではデジタル経済が新たな成長のエンジンとなっているのです。

⚫︎関連記事:アフリカの信用格差を埋めるモバイルローンサービスの台頭と未来
⚫︎関連記事:西アフリカのユニコーンスタートアップ|高評価額の企業3社(フィンテック、人材、モバイルマネー)

再生可能エネルギー

再生可能エネルギーは、アフリカの持続可能な成長に欠かせない分野として注目されています。アフリカは世界でも有数の太陽資源を持っているためです。しかし、太陽光発電の導入はまだ十分に進んでおらず、大きな成長の余地があります

モロッコでは世界最大級のワルザザート太陽熱発電所が稼働しました。政府は2030年までに電源の64%を再生可能エネルギーにする目標を掲げており、太陽光・風力発電は国家的なプロジェクトです。ケニアではアフリカ最大の風力発電所がトルカナ湖で稼働し、風力と地熱を活用した発電が進められています。

M-KOPAやBboxx、d.lightなど複数の企業が、家庭向けに太陽光発電システムを展開しています。モバイル送金で日ごとに料金を払えば、低所得層でも電気が使えるサービスです。ドローンによる配送やグリーン水素など新たな分野も登場しています。

アフリカは再生可能エネルギーの新興市場として、世界から注目を集めているのです。

⚫︎関連記事:急成長中のアフリカのカーボンクレジット市場の実態 | コンゴ民主共和国での太陽光発電プロジェクト
⚫︎関連記事:アフリカでの再生可能エネルギーの普及の未来はどうなる?
⚫︎関連記事:【2025年最新版】アフリカのメガシティ&スマートシティ6選|現地ビジネス動向や消費者トレンドを徹底解説!

製造業

製造業はアフリカにおけるGDPの10%強を今でも占めており、経済の多角化と雇用創出に欠かせない分野です。アジアにおける成功例にならい、原材料の輸出から、付加価値の高い加工・組立て型産業へシフトする動きが各地で広がっています

モロッコでは自動車産業が急成長しています。2023年にはおよそ61万台を生産し、南アフリカを抜きアフリカ首位となりました。南アフリカは今でも、自動車や鉄鋼、化学、工業製品全般の生産でアフリカからの輸出をリードしている状況です。他の国でも、製油所建設や工業団地の整備など、大型プロジェクトを通じて海外投資を呼び込んでいます。

AfCFTAによる経済統合が順調に進んでいけば、今後さらに製造業の動きは活発化して行くでしょう。

⚫︎関連記事:「【2025年版】アフリカビジネス注目国「南アフリカ」|経済・人口・日系企業の進出状況を徹底解説」

物流・EC(電子商取引)と流通インフラ

物流・EC(電子商取引)分野はアフリカの経済成長を支えるインフラと言える産業で、流通網の整備が進んでいます。ナイジェリアでは中国資本によりレッキ深海港が開港しました。大統領は、開港により20万人の雇用を生み出し、「ゲームチェンジャー」になると期待を表明しました。

EC市場も力強く成長しています。ナイジェリアやケニアでは、JumiaやKongaなどのプラットフォーム企業が、ECを通じて全国規模の配送網を構築しています。Jumiaはドローンによる配送にも取り組むなど、より効率的な物流システムを整備しつつあるところです。

アフリカ全体で物流とECの融合が進んでおり、多くの消費者に商品を届けられる環境が整いつつあります

⚫︎関連記事:【アフリカビジネス比較】東南アジアのEC・デジタル決済最新動向と意外な共通点とは?
⚫︎関連記事:世界中のユーザーがあなたの商品を待っている!「越境EC」の魅力と立ち上げ方をわかりやすく説明します

ツーリズム

観光業はアフリカの多様な自然・文化資源を背景に成長が進む産業です。2024年には国際観光客が7,400万人を超えると見込まれ、観光業の活動はGDPの6.8%を占めるまでになりました。

ケニアやタンザニアではサファリツアー、モロッコやエジプトでは都市観光や世界遺産が人気です。ルワンダはゴリラ観光を軸に高い付加価値を生み出す事業に取り組んでいます。

観光業は地域雇用の大きな担い手にもなっています。航空網や高級ホテルの整備も進みつつあり、今後さらなる成長が期待される分野です。

⚫︎関連記事:アフリカサステナブルツーリズム | アフリカの最新観光事情にせまる!
⚫︎関連記事:タンザニア・ケニアの897人に聞いてみた!最新の「旅行」事情(旅行の時期、目的など
⚫︎関連記事:【2025年最新】アフリカビジネス成功のカギ!治安が良い国・悪い国10選とおすすめエリア徹底ガイド

クリエイティブ

クリエイティブ産業は、映画や音楽、ファッション、アートなどの分野からなります。若者の多いアフリカで、クリエイティブは急速に発展している産業の一つです。

アフリカにおけるクリエイティブの代表例は、ナイジェリアの映画産業であるノリウッド(Nollywood)でしょう。ノリウッドは年2,500本以上の映画を制作し、作品数では米国ハリウッドを上回る世界第2位の規模になりました。アフロビーツなどの音楽ジャンルも米国・欧州など世界中でヒットを記録しました。

アフリカでクリエイティブ産業が発展している背景の一つには、YouTubeやNetflixなどのプラットフォームが拡大している点もあげられます。コンテンツを世界中にすぐに届けられる環境が整ったことで、アフリカにおける創造力が経済活動へと繋がるようになりました。

⚫︎関連記事:アフリカで人気の動画とは? ケニア・タンザニアの1,131人に聞いた!動画サービスについてのアンケート調査

医療・ヘルスケア

アフリカにおける医療やヘルスケア産業は、

・地域・所得などの格差により平等に医療サービスを受けられない
・医療人材が不足している

などの問題を抱えています。一方で近年は、デジタル技術とイノベーションが進み、課題への解決策も現れてきました

医薬品分野では、ガーナ発の新興企業であるエムファーマ(mPharma)が、9か国・400以上の薬局ネットワークを管理しています。安価なジェネリック薬を安定的に供給する仕組みを、アフリカ全域に展開する企業です。ジップライン(Zipline)はルワンダやガーナを中心に、ドローンによる医療品配送に取り組んでいます。

ナイジェリアでは、Emergency Response Africaによる救急医療サービスが提供されています。アプリや電話を通じて、救急チームの派遣や搬送のサポートなどを、毎日24時間対応するサービスです。Emergency Response Africaの活動は、過去の記事でも取り上げていますので、あわせてご覧ください。

スタートアップが活躍する産業の一つであり、市場が拡大するとともに、大きな雇用創出の可能性もある分野として注目されています。

⚫︎関連記事:アフリカのヘルステック事情 | 医療の課題とテクノロジーで挑む医療ITスタートアップ
⚫︎関連記事:ケニア、南アフリカの医療事情と医療ビジネスチャンス。国民皆保険制度の可能性
⚫︎関連記事:アフリカにおける母子保健と検査ラボの強化とスタートアップの取り組み

教育テクノロジー(EdTech)

教育テクノロジー(EdTech)は、若年人口が急増するアフリカで注目を集める産業です。

スマートフォンが普及しているのを背景に、動画教材やSMS学習アプリ、遠隔授業のプラットフォームなどが広がっていますアフリカのeラーニング市場規模は2024年で34億ドル(およそ5,100億円)と推定されています。2034年には197億ドル(およそ3兆円)に成長する見通しです。

ナイジェリアは、EdTechへの投資が盛んな国として知られています。uLessonは2019年からK-12向け(日本だと中学程度に相当)の動画教材アプリを提供しています。ケニアでは、Eneza Educationなどが有名です。Eneza Educationは、

・SMSテキストで中高生に復習用の問題を配信
・教師への質問フォームを提供

しており、380万人以上の利用者を獲得しています。

アフリカ各国の政府や開発機関も、デジタル教育支援に力を入れています。教育とICTの分野の発展は、アフリカの未来を支える重要な取り組みです。

⚫︎関連記事:2020年代のアフリカでのオンライン教育のビッグビジネス化
⚫︎関連記事:【2025年最新】アフリカのIT先進国ランキングを紹介!ITビジネスや越境ECにおすすめの国6選

アフリカビジネスへの進出を支援いたします!

「アフリカは貧しく発展の遅れた地域」という認識は、もはや過去のものになりつつあります。現在のアフリカは、モノカルチャー経済を脱し、さまざまな産業が成長を見せている地域です。この記事では、アフリカでこれから注目したい9つの産業を解説しました。

アフリカで産業が発展する様子を知ると、多くの方がアフリカでのビジネスに関心を持たれます。一方で、アフリカ現地でのビジネスを具体的に考え出すと、悩みに直面してしまう方がほとんどです。たとえば

・自社の製品は、どの国で展開すれば良いか悩ましい
・取引先として興味を持っている国があるが、その国における経済や社会の状況が分からない

といったお悩みを持たれる方は多いです

こうした方々に向けてビィ・フォアードでは、アフリカ市場への参入や調査を手助けするさまざまなサービスを展開しています。

アフリカマーケットリサーチでは、アフリカにおける産業の詳しい動向や市場調査など、実践的なリサーチをご提案いたします。「どの国へ進出すればよいか?」「現地でニーズがあるか?」といった疑問の解決をお手伝いします。

アフリカマーケットリサーチによる調査の例を見てみたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください

●関連記事:ケニア・タンザニアで人気のSNSとは?アフリカのソーシャルメディア利用実態調査

アフリカでのビジネスを実際に進めたい方には、海外輸送サービス「ポチロジ」やビィ・フォアードの越境ECサイトにおけるバナー広告サービスも利用可能です。

ポチロジでは、日本からアフリカの主要国に向けて、最速・安全・安価に輸送できます。ビィ・フォアードの越境ECは、月間6,000万を超えるPVを集め、年間16万台の中古車を販売しているWebサイトです。バナー広告を打ち出せば、アフリカ現地での露出が増えると期待できます

ご相談は無料でお受けしております。アフリカにおける産業の現状を知り、現地でのビジネスに少しでもご興味を持たれた方は、お気軽にお問い合わせください!

参考資料
経済産業省 通商白書(2016年度)
世界銀行 “African Report”
アフリカ開発銀行 “African Economic Outlook 2024”
ケニア 投資貿易産業省 Investment Promotion
Knowledge Magazine
The African Exponent “32 Agritech Startups Disrupting the Agricultural Landscape in Africa”
The African Exponent “Top 18 Educational Tech Startups Disrupting the Academic Landscape in Africa 2025”
LinkedIn.com
techcabal.com
CNBC.com
JETRO ビジネス短観
Afripoli.org
atalayar.com
Reuters “Drone delivery picks up in Africa as Jumia pairs with Zipline”
Southern African Times
Sustainability in the Sky.com
Studio Binder
Tech Crunch

アフリカビジネス事務局
アフリカビジネス事務局
BE FORWARDは、中古自動車の輸出販売をメインに、アフリカに関するビジネスを幅広く展開しています。 月間販売台数15,000台、アフリカをはじめ世界207の国・地域で商取引を行うグローバルカンパニーです。 越境ECサイトとしては、月間6,000万PV、ネット通販売上高ランキング国内第1位(2023年)。 創業20年、つねに前へとアフリカでのビジネスを切り拓いてきました。その経験と実績をもとに、アフリカビジネス進出を検討する上で役に立つ、アフリカ現地の最新情報をお届けします。

最新記事

<< PR >>spot_img
<< PR >>spot_img