アフリカでは若い世代を中心に人口が増え続け、経済が大きく成長し続けています。
こうした背景から、アフリカは「最後のフロンティア」とも呼ばれ、多くの海外企業も事業を展開しています。
アフリカビジネスへの進出のニュースや記事では、大手企業の事業が取りあげられることが多いです。しかし中小企業でも、アフリカビジネスで成功するチャンスは十分にあります。
日本の中小企業も事業を展開し、現地の人々に価値ある商品やサービスを提供しているのです。
この記事では、アフリカビジネスに興味を持つ中小企業の方々へ、下の内容を紹介します。
・アフリカビジネスの魅力と中小企業の可能性
・アフリカビジネスで成功した中小企業の事例4選(プラス1)
・アフリカビジネスで中小企業が成功を手にするためのステップ
記事を読み終わるころには、アフリカで中小企業が活躍している様子を思い浮かべられるようになっているはずです。ぜひ最後までお読みください!
アフリカビジネスの魅力と中小企業の可能性
中小企業にとっても、アフリカで事業を展開することには大きな魅力があります。
アフリカビジネスの魅力を考えるうえでのポイントを3つ紹介します。
・アフリカ市場が成長する要因
・中小企業がアフリカで成功する理由
・アフリカへ進出することのメリット
ポイント1. アフリカ市場の成長要因
アフリカでは人口が急速に増えており、若年層の占める割合も高くなっています。
人口増加にともなって市場が拡大しているのが、アフリカビジネスにおける一番の魅力です。
2020年時点ではアフリカの人口は14.3億人おり、2050年までには25億人近くに達する見込みです。
2020年のアフリカにおいては、30歳未満の人たちが人口全体の67.4%にものぼります。
日本だと、30歳未満の人たちが人口に占める割合は26.5%にとどまっています。
アフリカ社会は若年世代が多く、これも市場が成長する大きな要因です。
アフリカ経済も着実に発展しています。多くのアフリカ諸国では実質GDPの成長率は3〜4%台です。
日本の実質GDPは年あたり1%程度で増えていることを考えると、アフリカが大きく成長している様子が伝わります。
こうした成長とともにアフリカでは、インターネット網の整備やモバイル端末の保有が急速に広まっています。
このような現象は「リープフロッグ」と呼ばれており、世界的にも注目を集めています。
それに伴い、モバイル端末決済やEC産業などのデジタルサービスも拡大しているのです。
ビジネスに適した環境整備が進んでいることも、アフリカ市場の成長を後押ししています。
●関連記事:アフリカ最新ビジネストレンド リープフロッグ現象がもたらすアフリカの革新
ポイント2. 中小企業がアフリカで成功する理由
中小企業は会社規模の小ささゆえに、アフリカ市場で成功を収めやすい特徴を持っています。
急成長を続けるアフリカにおいて、中小企業が成功しやすい理由は下の2つにまとめられます。
・企業がコンパクトであるがゆえに、ニッチな市場へも進出できる
・意思決定が迅速にでき、市場の変化に対応しやすい
多少ニッチな市場であったとしても、規模の小さな企業であれば、現地におけるニーズに合わせた製品・サービスを提供できます。
大企業に比べて意思決定が迅速に進められるのも、中小企業の強みです。
アフリカでの市場の状況にすばやく柔軟に対応できます。
これら2つの特徴を活かすことが、中小企業がアフリカビジネスで成功を収める鍵と言えます。
ポイント3. アフリカ進出のメリット
アフリカビジネスへ進出する利点は、成長が見込まれる市場において先行者利益を得られることです。欧米諸国や中国など、アフリカでビジネスを展開している国はいくつもあります。
一方で、日本製品への信頼・評判は高いにもかかわらず、アフリカにおける日本製品の存在感はまだ低いのが現状です。
また、一言でアフリカといっても、国によって経済・社会の状況は大きく異なります。
それぞれの国において未開拓の分野や課題はたくさん残されており、大きな市場シェアを得られる可能性があります。
●関連記事:【2024年最新】アフリカGDPランキング ビジネスの先進国と注目すべき国5選を紹介!
アフリカビジネスで成功した中小企業の事例4選(プラス1)を紹介!
中小企業がアフリカビジネスへ進出することの魅力を紹介してきました。
しかし「それでも、アフリカでの事業は大手企業でないと進められないのでは…」と疑問をまだお持ちかもしれません。
こうした疑問に答えるために、アフリカビジネスで成功している中小企業の事例4選(プラス1)を紹介します。
・株式会社トロムソ
・テラル株式会社
・株式会社キャンサースキャン
・株式会社ダイビック
・株式会社ビィ・フォアード
事例1. 株式会社トロムソ
株式会社トロムソはタンザニアを中心にして、もみ殻を固形燃料に変える「グラインドミル」装置を用いた事業を展開しています。
ケニアからの研修員を受け入れた際に、もみ殻の活用には需要があると知ったことがアフリカ進出のきっかけとなりました。
アフリカビジネスを始めてから、トロムソはいくつかの課題に直面しています。
たとえば、アフリカでは電力供給が不安定な地域が多く、当初持ち込んだ電動式の装置を十分には使えませんでした。
そこでトロムソは研究開発を重ね、電力に頼らず、トラクターの動力で動かす装置を導入しました。
また、現地でより生産しやすい固形燃料も新たに作り出しています。
現地の状況へ合わせ柔軟な対応をとれたことが成功につながったのです。
●関連記事:21世紀最大のビジネスフロンティア、アフリカへ進出する日本企業を紹介!
事例2. テラル株式会社
テラル株式会社は、創業以来発展させてきた技術を活かし、セネガルを中心にソーラーポンプシステムの導入を進めています。
電力供給がなくても、太陽光エネルギーを使って井戸から水をくみ上げるシステムです。
この取り組みは、セネガルにおける水供給施設の不足を補うだけでなく、他地域へも展開できるモデルケースとして評価されています。
事例3. 株式会社キャンサースキャン
株式会社キャンサースキャンは2013年、ケニアにおいて子会社である「アフリカスキャン」を設立しました。
友人がアフリカで仕事をしていることを知り、アフリカでの事業に興味を持ち始めたのがきっかけです。
アフリカでの事業を始めた当初は、日本企業に対するケニアへの進出支援に取り組んでいました。
現在は予防医療サービスやダイエットアプリ、医療教育サービスなどを提供し、アフリカの医療問題の解決を目指しています。
事例4. 株式会社ダイビック
株式会社ダイビックは、2017年にルワンダでプログラミング講座を始め、その後ケニアを中心に事業を拡大しました。
IT人材育成や、AI開発・ビッグデータの管理に必要となるAIアノテーションに関するサービスを展開しています。
ダイビックの事例を見てみると、アフリカと日本では文化や教育環境が大きく異なると認識するのが重要だとわかります。
たとえば日本と比べると、アフリカ諸国では自発的に時間を厳守する人は少ないかもしれません。
これは現地の文化や生活習慣からくるもので、ただ「時間を守れ」と怒るだけでは解決しません。
時間通りに動いてもらうための仕組みづくりが必要になるでしょう。
アフリカでは学校などの教育環境が整っていない場合も多いです。
しかし優秀な若者は多く、ビジネスを通じて学ぶ機会をきちんと提供すれば、ともに成長できることをこの事例は示しています。
もう一つの事例. 株式会社ビィ・フォアード
弊社、株式会社ビィ・フォアードは、アフリカを中心に年間15万台以上の中古車を輸出しています。
アフリカ進出のきっかけとなったのは、10万円以下の安価な中古車が偶然に売れた経験です。
2008年ごろからアフリカ諸国への中古車輸出を始め、今では月の輸出台数が15,000台を超えるようになりました。
アフリカへサービスを展開できた理由の一つとして、現地で良い口コミが大きく広まったことがあげられます。
知名度を高めるために
・輸出した中古車にステッカーをはる
・Tシャツを無償でお客さまにプレゼントする
といった、現地企業がしていなかった取り組みを進めました。
そして、配送網の整備、システム開発、在庫管理の徹底、現地でのネットワークとサービスを強化などに取り組んでまいりました。
知名度が高まり良い評判が広まるにつれ、声をかけられる機会が増え、事業の拡大につながったのです。
●関連記事:
・アフリカビジネスを切り拓く!越境ECサイトによる中古車輸出販売、BE FORWARDのビジネス事例
・越境EC売上高ランキング国内No.1!越境ECで成功をおさめたビジネスモデルを解説(前編)
・越境EC ランキング国内No.1!売上1000億円超、越境ECで成功をおさめたビジネスモデルを解説(後編)
アフリカビジネスで中小企業が成功を手にするための4ステップ
上で紹介した事例のとおり、アフリカビジネスで成功を収めている中小企業はいくつもあります。
しかし事業を成功に導くには、いくつかの準備を経なければいけません。
必要となる4つのステップを紹介しましょう。
・念入りな市場調査
・現地でのパートナー選定とネットワーク構築
・リスク管理と戦略の立案
・マーケットリサーチサービスの活用
ステップ1. 念入りな市場調査
アフリカビジネスを軌道に乗せるには、綿密な市場調査が必要です。
経済状況や消費者の動向、競合他社を詳しく分析し、自社製品に対する需要を把握しなければなりません。
株式会社トロムソやテラル株式会社の事例は、現地における課題や需要をつかむことの重要性を教えてくれます。
また、現地の法規制やビジネス慣行を理解することも重要です。
輸出入に関する手続きや現地での慣習に合わせて、事業の進め方を少しずつ見直す場面も出てきます。
ステップ2. 現地パートナーの選定とネットワーク構築
アフリカビジネスを成功させるために、信頼できる現地パートナーを見つけるのは重要です。
適切なパートナーと手を組めれば、現地における商習慣や規制への対応、販売網の構築がスムーズに進むでしょう。
先ほど必要だと説明した念入りな市場調査も、地元でのサポートなしに実現するのは難しいです。
また、政府機関や業界団体とのネットワーク構築も重要です。
成功事例で紹介した企業も、JICAなどの公的機関や政府有力者を通じて、アフリカビジネスの進出へとつながっています。
●関連記事:アフリカのサプライチェーンの課題とビジネスチャンス
ステップ3. リスク管理と戦略的計画
アフリカビジネスでは、日本では考えられないようなリスクに直面する可能性があります。
不安定な政治や為替の変動、整っていないインフラなどのリスクを事前に洗い出し、対処する戦略を立てておくことが重要です。
また、実際にアフリカ市場に進出してみると、柔軟な対応が求められる場合も多々あります。
計画を立案するのはもちろん、定期的に見直す必要も出てくるでしょう。
現地の状況に応じてすばやく対応を進められる点は、迅速な意思決定ができる中小企業の強みとも言えます。
先ほど紹介した中小企業の事例でも、
・現地の事情にあった商品を開発する
・地元の労働者が力を発揮できる教育環境・仕組みを整備する
などの工夫に取り組んでいます。
●関連記事:【2024年最新】アフリカ治安ランキングを紹介!アフリカビジネス進出に向けての注意点3選も説明
ステップ4. マーケットリサーチサービスの活用
アフリカビジネスで成功するには、信頼性の高い現地の情報が必要です。
しかしほとんどの中小企業は、調査を進めるために必要な現地ネットワークを持っていません。
弊社の「マーケットリサーチサービス」を活用することで、アフリカにおける最新の市場動向や消費者インサイトを調査できます。
56の国・地域における現地パートナー93法人と協力し、アフリカでの調査を支援するサービスです。
マーケットリサーチサービスを活用することで、アフリカビジネスでの成功をより確かなものにできます。
中小企業によるアフリカビジネスを支援いたします
この記事では、中小企業によるアフリカビジネス4つ(プラス1)の事例と、成功にむけた4つのステップを紹介しました。
・念入りな市場調査
・現地でのパートナー選定とネットワーク構築
・リスク管理と戦略の立案
・マーケットリサーチサービスの活用
成功のために必要となる念入りな準備を、ビィ・フォアードのサービスで支援いたします。
マーケットリサーチサービスでは、情報収集や現地リサーチなどをお引き受けし、アフリカビジネスを支援いたします。
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参照元
国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2023)」
UN “World Population Prospect 2024”
総務省統計局「人口推計 2022年度版」
World Bank “DataBank”
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