アフリカは本当に危険?主要5か国の危険・安全エリアと渡航前にすべき治安対策を解説!

「アフリカ出張が決まったけれど、治安が心配…」

ご家族や同僚からも「アフリカって大丈夫なの?」と心配され、自分でも不安やもどかしさを感じているかもしれません。

この記事では、アフリカの治安について、下の3つのポイントを中心に解説します。

・アフリカのどの国・どの地域が危険なのか
・リスクの種類ごとに、どのような備えをすればよいのか
・渡航前に準備すべきことと、現地での行動ルールは何か

ひとことで「アフリカ」といっても、国や地域によって治安や対策はまちまちです。そして、多くの地域ではきちんと対策を整えれば安全に活動できます。

アフリカの治安を詳しく知りたい方は、ぜひこの記事を最後までお読みください!安心してアフリカビジネスの第一歩を踏み出す準備に役に立つはずです。

アフリカは本当に危険?地域差から見る治安の実態

アフリカ大陸には54の国と地域があり、国によって治安の状況はまったく異なります。

長い間紛争や政情不安に悩まされる地域があるのも事実です。一方で、長年にわたり安定した治安を維持している国も存在します。つまり、「アフリカは危険」というイメージは半分正解で、半分は誤解だと言えるでしょう。

この記事ではまず、アフリカの治安は国や地域によって差が大きいことを、政府が公表する情報から整理します。

なお、外務省が発表する危険情報は、情勢の変化に応じてたびたび更新されます。渡航前には必ず、外務省海外安全ホームページで最新の情報をご確認ください。

「アフリカ=すべて危険」は誤解

「アフリカはどこも危ない」という一般的なイメージは、事実とは異なります。54の国と地域の中には、政治的にも社会的にも安定している国がいくつも存在するからです。代表的な例として

・南部アフリカのボツワナ
・インド洋に浮かぶ島国モーリシャス

の2か国を紹介しましょう。

ボツワナは1966年の独立以降、クーデターや内戦を一度も経験していません。

2024年10月の総選挙では野党連合が勝利し、初の平和的な政権交代が実現しました。アフリカでも民主主義が成熟している国と、国際的に評価されています。

モーリシャスは民主主義指数で、アフリカ唯一の「完全な民主主義国」と分類された国です。2024年11月の総選挙でも平和的な政権交代が行われました。2026年4月21日時点で外務省から危険情報は発令されておらず、アフリカの安全な国として知られています。

ただし「国全体として安全」といえるのは、一部の国にとどまる点には注意が必要です。多くのアフリカ諸国では、地域・都市・時期によって治安状況が大きく異なります。

アフリカへ出張や視察に向かう際は「どの国に行くか」はもちろん、「どの都市の、どのエリアに滞在するか」という単位で安全なエリアかを判断することが重要です。

外務省の危険情報レベルで見るアフリカの治安マップ

アフリカの治安に関する情報を集めるには、外務省の「海外危険情報」をまずは押さえておきましょう。外務省の海外安全ホームページでは、世界各国の治安状況を4段階のレベルに分けて公表しています。

危険レベル名称意味
レベル1十分注意してくださいその国・地域への渡航・滞在にあたり危険を避けるため特別な注意が必要
レベル2不要不急の渡航は止めてください不要不急の渡航を控えるよう勧告
レベル3渡航は止めてください(渡航中止勧告)どのような目的であれ渡航を止めるよう勧告
レベル4退避してください。渡航は止めてください(退避勧告)滞在者に対し、安全な国・地域への退避を勧告

アフリカ全体を見てみると、「レベル1 十分注意してください」となる国・地域が多いです。主要なビジネス都市や観光地の多くもここに当てはまります。

一方で、サヘル地域(マリ、ブルキナファソ、ニジェールなど)やスーダン、ソマリア、リビアといった一部の国では、レベル3〜4が発令されている危険な地域もあります。これらの地域は、武力紛争やテロ、誘拐リスクが高く、渡航そのものを避けるべきです。

この記事の後半で紹介する主要5か国は、いずれも国内に複数の危険レベルが混在している国です。「首都の中心部はレベル1だが、国境付近はレベル3」といった具合に、同じ国の中でエリアごとに危険度が大きく異なります。

そもそも渡航すべきでない国とは

アフリカの治安を考える際に、まず「行くべきではない国」をはっきり線引きしておくとよいでしょう。

外務省がレベル3「渡航中止勧告」またはレベル4「退避勧告」を発出している代表的な国は以下のとおりです。

国名危険レベル主な危険要因
スーダン全土レベル4国軍(SAF)と準軍事組織RSFの武力衝突(2023年4月〜継続)、ポートスーダン市でのドローン攻撃
南スーダン全土レベル4キール大統領派と第一副大統領派の対立激化、ジュバ近郊での衝突(2025年3月〜)
ソマリア全土レベル4イスラム過激派「アル・シャバーブ」による自爆テロ・銃撃・誘拐
リビア全土レベル4(ミスラタ市のみレベル3)民兵組織間の武力衝突、東西2政府併存による政治的不安定
中央アフリカ全土レベル4武装勢力による襲撃・誘拐、継続的な治安情勢の不安定化
マリ全土レベル4イスラム過激派の活動、2020年以降のクーデター連続による情勢悪化
ブルキナファソ多数の県レベル4/首都ワガドゥグ含む残地域レベル3イスラム過激派によるテロ、武装勢力による国土支配拡大

出典:外務省海外安全ホームページ(2026年4月21日閲覧)

※ただし各国の危険レベルは情勢により変わるため、必ず外務省海外安全ホームページで最新情報をご確認ください。

上の表にあげた国では、武力紛争、テロ、誘拐など複合的なリスクが重なっています。ビジネス目的であっても渡航は極めて危ないです。

「商談や現地調査のために、どうしてもこれらの国と接点を持たねばならない」という場合には、以下のような代替手段を検討するのが現実的でしょう。

オンライン商談システムやビデオ会議による対応
・近隣の安全な国(ケニア、タンザニア、南アフリカ、モロッコなど)で面談
・現地パートナー企業や日系進出企業を介した代行調査・交渉

アフリカ渡航で警戒すべき6種類のリスクと対策

「アフリカは治安が悪い」と語られることは多いものの、実際に渡航者が直面するリスクはさまざまです。例えば、街中でのスリ被害とビジネスマンの誘拐事件では、必要な備えもまったく異なります。

したがって、リスクの種類ごとに対策を考えておくことが安全確保の近道です。

この記事では、アフリカへ渡航する際に警戒すべきリスクを6種類に分け、それぞれの特徴と基本的な備え方を整理します。

・スリやひったくり、強盗
・テロやクーデター
・誘拐および身代金要求
・交通事故
・感染症・衛生リスク
・詐欺や金融に関する犯罪

出張先の国・都市の事情に合わせて、どのリスクに重点を置くべきか考えましょう。

スリやひったくり、強盗

渡航者がよく出くわすのが、スリやひったくり、路上強盗といった街頭犯罪です。

こうした犯罪はアフリカに限らず、さまざまな国で発生します。しかしアフリカの一部の主要都市では、世界的に見ても被害が多い傾向です。

とくに、南アフリカのヨハネスブルグ、ケニアのナイロビ、ナイジェリアのラゴスなどは、日本大使館が発行している「安全の手引き」でも繰り返し注意が促されている地域です。

スリやひったくりなどの街頭犯罪を防ぐためには、下にあげる4点を押さえておきましょう。

・貴重品は分散して携行する
・服装は現地になじむカジュアルなものを選ぶ
・スマートフォンをできるだけ路上で使わない
人混みでは背後にも注意を払う

これらの対策は、現地における基本的なふるまいとして身につけておきたい習慣です。

テロやクーデター

日本人にとって、アフリカのニュースで強い印象を残すのが、テロ事件やクーデターに関する報道でしょう。

実際には、政変のリスクが高い場所は、アフリカの中でも特定の地域に集まっています。例えば、サヘル地域(マリ、ブルキナファソ、ニジェール、チャドなど)や、ソマリアを中心とした東部アフリカ沿岸は注意すべきエリアです。

サヘル地域ではイスラム過激派組織の活動が続き、2020年代に入ってからはマリ、ブルキナファソ、ニジェールなどで相次いでクーデターが発生しました。

東アフリカでは、ソマリアを拠点とする過激派組織「アル・シャバーブ」が、ケニア北東部など近隣国でもテロを実行しています。

こうしたリスクに備えるために、渡航先の最新ニュースをこまめに集めましょう。

誘拐および身代金要求

アフリカでは、外国人ビジネスマンが誘拐の標的になる事件もたびたび生じています。

警戒すべき地域として、ナイジェリア北〜北西部やデルタ地域、ソマリア周辺、サヘル地域などがあげられます。

ナイジェリア北部ではイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が長年活動しており、外国人や外交関係者が拉致される事件も発生しています。

ニジェールデルタの石油関連エリアでは、武装集団による外国人エンジニアの誘拐・身代金要求が繰り返し報告されてきました。

また、ナイジェリアの首都アブジャでも、郊外を中心に誘拐のリスクが指摘されています。日本大使館が発行する「安全の手引き」でも、重点的に警戒が呼びかけられているエリアです。

こうした地域に業務で立ち入る場合は、自社の危機管理部門や現地進出企業、日本大使館と事前に連携し、移動経路や滞在先の安全性を確認することが必須です。

危険な地域でなくても、アフリカで誘拐のリスクを避けるには、下にあげる基本行動をとる必要があります。

・単独行動はできるだけ避け、現地スタッフや信頼できるドライバーと同行
・毎日の行動パターンを固定しない
・SNSや公開の場で、滞在先ホテル名・宿泊期間・移動予定を発信しない

交通事故

アフリカへの渡航者にとって、身近で大きなリスクは交通事故という点は意外と見落とされがちです。

WHOが発表した “Global Status Report on Road Safety 2023” によれば、アフリカ地域の交通事故死亡率は人口10万人あたり19人で、WHOの地域区分のなかで最も高い水準です。ヨーロッパでは10万人あたり7人、東南アジアは10万人あたり16人ですから、アフリカにおける交通事故のリスクが大きいと分かります。

また、2010年から2021年にかけての交通事故死者数は、アフリカ地域だけが17%増加しています。改善が進むほかの地域と比べても対照的です。

背景には、

・スピード違反や飲酒運転の取り締まり
・シートベルトやヘルメットの着用義務などの法整備

が十分ではないという事情があります。

道路インフラの整備が追いついていないのも、重大な事故を増やす要因の一つです。街灯がなく夜は真っ暗、道路が損壊して走りづらいなど、日本ではあまり想定しない状況にも遭遇します。

感染症・衛生リスク

治安リスクと並んで、アフリカで気をつけておきたいのが感染症や衛生面でのリスクです。

アフリカでは、日本では見られない病気にかかるおそれがあります。代表的なのは、

・蚊が媒介するマラリアや黄熱病
・水・食事を介して広がるコレラやA型肝炎

などです。

マラリアはアフリカの広い地域で流行しており、夕方から夜間に活動する蚊に刺されることで感染します。長袖・長ズボンの着用、DEETやイカリジンが配合された虫よけスプレーの使用などが、基本的な予防策になります。

2025年11月にタンザニアを訪れた弊社社員も、

「マラリアの危険がある土地なので、虫よけスプレーは常時使っておくべき」
「付け方が甘いと、気が付いたら刺されていることがある」

と注意を促していました。

飲食も体調を崩しやすいポイントです。病気を予防するために、

・ボトルに入っていない飲み物は飲まない
・氷入りのドリンクは信頼できる店でだけ飲む
・生野菜・カットフルーツはリスクが高い

という基本を押さえておきましょう。

詐欺や金融に関する犯罪

アフリカへ行ったら、詐欺や金融犯罪の被害にも注意しましょう。スリや強盗などの暴力的な印象はないものの、大きな被害や個人情報の流出につながります。典型的な手口だけでも渡航前に知っておけば、被害にあう確率を大きく減らせます。

代表的な手口の一つが、ATMのスキミングです。路上にあるATMに、カード情報を読み取る装置や、暗証番号を盗み見る小型カメラが仕掛けられているケースがあります。情報を盗み取られると、帰国後にカードを不正利用されてしまいます。

警察官を装った「偽警官」から現金を要求される手口にも気をつけたいところです。外務省の海外邦人事件簿でも繰り返し注意が呼びかけられています。

「偽札の確認を行っている」
「偽造クレジットカードの確認が必要」

などもっともらしい理由をつけて、財布やパスポートの提示を求めてきます。現金を抜きとられたり、言葉巧みに暗証番号を聞き出したりする事例が報告されています。

タクシーや両替商、悪質な商売人などからぼったくられたり、偽札で取引されたりするケースもあります。有名で信頼のおける、サービスや店舗、ホテルなどだけを利用するようにしましょう。

アフリカ主要5か国の危険地域と安全エリア

アフリカ54か国の中でも、ビジネスや視察、観光で訪れる可能性が高い主な5か国

・エジプト
・南アフリカ
・ケニア
・ナイジェリア
・タンザニア

について、実際に訪ねそうな地域ごとに治安の状況を紹介しましょう

同じ国・都市の中でも「道一本を挟むだけで治安がまったく違う」ことはよくあります。アフリカへの渡航を予定している方は、この記事を、安全・危険な地域を判断するのにお役立てください!

なお、国の危険情報は情勢によりたびたび変わります。渡航前には必ず外務省海外安全ホームページで最新情報をご確認ください。

エジプト

エジプトはピラミッドや古代遺跡で日本人にも馴染み深い渡航先で、「同じ国でもエリアで治安がまったく違う」というアフリカの特徴を最も体感しやすい国です。

ビジネス渡航者・観光客がよく訪れる

・カイロ(首都)
・ギザ(ピラミッドで有名)
・ルクソール
・アスワン
・アレクサンドリア

は、いずれも外務省の危険レベル1に分類されています。

ギザには観光警察が配備され、ルクソールやアスワンも観光のハイライトとして多くの旅行者を受け入れているなど、渡航のハードルは比較的低いエリアです。ただしこれらのエリアでも過去にテロ事件の発生記録があり、突発的な政治デモも起こり得ます。

一方、シナイ半島(アカバ湾沿岸のダハブ〜シャルム・エル・シェイクを除く)やリビア国境地帯は外務省レベル3(渡航中止勧告)に指定されています。イスラム過激派・武装勢力の活動が続いており、どんな目的でも渡航は避けるべき地域です。

エジプトの経済や人口動態、日系企業の進出状況を詳しく知りたい方は、以下の関連記事もご覧ください!

●関連記事:「【2025年版】アフリカビジネス注目国「エジプト」

南アフリカ

南アフリカはアフリカ最大級の経済規模を誇り、ビジネス・観光で多くの外国人が訪れる国の一つです。一方で、「通り一本で治安が変わる」ほど地域差が大きく、滞在先の選び方一つで治安の感じ方がまるで違います。

ビジネスでの渡航者が多く滞在するのはヨハネスブルグ・サントン地区/ローズバンクケープタウン・V&Aウォーターフロント周辺です。外務省による危険レベルは1で、セキュリティのしっかりしたオフィス、ホテル、レストランが集中しています。ただしケープタウンでは空港から市内への移動の際、ニャンガ地区を経由するルートで観光客が襲撃される事例も報告されています。信頼できる送迎手段の手配が安心です。

一方で同じヨハネスブルグでも、CBD(中心業務地区)・ヒルブロウ・ベレア地区プレトリア(ツワネ)中心部は危険レベルが2に上がります。銃器を使った強盗やカージャックが多発しているのが理由です。

さらに注意したいのは、外務省の危険レベルでは1でも、現地の大使館が警告するエリアが存在することです。

ケープタウン・ケープフラッツ(ミッチェルズプレイン、ニャンガ等)は危険レベル1です。しかし大使館の「安全の手引き」では、市の中心地を離れるとギャングが根城にするエリアも多いと明記されており、近づくべきではありません。

タウンシップ(都市周辺部の低所得層が集まる地域)は「昼間でも極めて危険」と警告されています。外国人は犯罪の標的となりやすく、ガイド同伴であっても立ち入りには慎重な判断が必要です。

南アフリカにおける経済・ビジネスの様子や生活上の注意点を詳しく知りたい方は、以下の関連記事もぜひご覧ください!

●関連記事:「【2025年版】アフリカビジネス注目国「南アフリカ」
●関連記事:「アフリカへの長期駐在|何から準備すれば?生活費・治安・出発前チェックを解説

ケニア

ケニアは東部アフリカで最大級の経済規模をほこる国です。首都ナイロビをはじめ、都市部では活気に満ちています。その一方で、地区単位で危険レベルは細かく分かれる点が特徴です。

ビジネス渡航者の主な滞在先であるナイロビのウエストランズやカレン地区、サファリ観光で有名なマサイマラ国立保護区などは外務省の危険レベルは1です。ガイドが同行していれば、概ね安心です。ただし、隣接するCBDでは政府への抗議活動が頻繁に行われるなど、近寄るのを避けるべき

しかし同じナイロビ市内でも、イースリー地区キベラ、マザレ、パンガニ等のスラム地域は危険レベル2です。犯罪組織によるけん銃を用いた強盗事件や、警察との衝突が報告されており、立ち入りを控えるべきエリアです。

沿岸部のモンバサは治安維持が強化されており、危険レベル1となっています。注意しつつ滞在できるでしょう。ただし、中心部から少し離れたリコニ、キサウニ地区などは犯罪が多発しているエリアとして警告されています。不用意に訪れないようにしましょう。

ナイロビから離れた地域は、危険度が高いエリアが広がっています。北東部(ガリッサ・マンデラ等)のガリッサ郡ダダーブ難民キャンプ周辺はレベル4、トゥルカナ郡など南スーダン・ウガンダ国境地帯はレベル3に指定されています。どちらもテロ・誘拐リスクが極めて高く、渡航すべきではありません。

ケニアの経済やビジネスの現状については、以下の関連記事でも詳しく解説しています!

関連記事:「【2025年版】アフリカビジネス注目国「ケニア」

ナイジェリア

ナイジェリアはアフリカ最大の人口・経済規模を持つ国です。しかし紹介する5か国のうち、ナイジェリアだけは全土がレベル2以上に指定されています。やむを得ず渡航する場合は、慎重を期す必要があります。

ラゴス州・アブジャを含む連邦首都圏区・その他全域がレベル2で、経済悪化に伴う物価高騰や抗議行動の暴徒化も報告されており、通常以上の準備が必要です。

ビジネスで主に活動するのは、ラゴスのビクトリア・アイランドやイコイ地区です。外国企業のオフィスや高級ホテルが集まっており、危険レベル2であるものの観光客も多いエリアです。海外で発信されている渡航情報の中には、ラゴス州を渡航制限対象から外している国もあるなど評価には幅があります。しかし、富裕層・外国人を狙った強盗・誘拐は発生しており、日本人の被害例もあります。

一方、ラゴスのメインランド側は同じレベル2でもスリ・強盗など犯罪のリスクが高いです。特に夜間は危険なため、立ち入りは最低限に抑えましょう。

首都アブジャもレベル2です。政府機関の集まる中心部は警備が手厚いものの、過激なデモ活動や強盗・身代金誘拐への備えが強く求められています。郊外や幹線道路の移動では特に警戒が必要です。

これに対し、ナイジェリア北部は危険レベル4のエリアが広がっています。ボコ・ハラムなどイスラム過激派組織や武装集団が拠点としている地域です。ナイジャー・デルタ各州やカノ州・カドゥナ州などもレベル3に指定され、石油関連施設を狙った誘拐や武装集団の活動が報告されています。

ナイジェリアの経済やビジネスの状況を詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください!

●関連記事:「【2025年版】アフリカビジネス注目国「ナイジェリア」

タンザニア

タンザニアは東部アフリカの拠点となる国のひとつです。名峰キリマンジャロや、セレンゲティ、ザンジバルなど世界的な観光資源も持っています。

首都ダルエスサラームや主要な観光地は、危険レベルは1です。2025年10月の大統領選以降、国民による抗議活動が広まり全土でレベル1が発出されています。

ビジネスで渡航した際の主な滞在先は、

・首都のダルエスサラーム
・マサキ半島やオイスターベイ地区

です。外国人駐在員が多くホテルやレストランも集中しています。

一方で、同じダルエスサラームでも、カリアコー周辺、タンダレ、ムウェンゲなどは「犯罪が多い地区」とされています。不用意に立ち入らないようにしましょう。

ザンジバルやストーンタウンも日中の観光は問題ないでしょう。セレンゲティ、ンゴロンゴロ、キリマンジャロもレベル1で、ガイド同行のツアーなら安心です。

ただし安全なエリアといっても、油断せず周囲の安全に気を払う必要があります。実際、2025年11月にタンザニアを訪れた弊社社員は、

「信号待ちのときに、押し売り(フルーツなど)の人が車のそばに寄ってくるので、窓を開けないほうがよいと感じた」

と振り返っています。車に乗っていても窓を閉め、貴重品を見せないことが現地の自衛の第一歩です。

一方、ブルンジ国境にあたるキゴマ州西部は武装勢力が活発に活動しており、危険レベルは3です。モザンビークとの国境があるムトワラ州はレベル2で、国外から侵入した武装勢力の襲撃事件が過去に発生しています。これらのエリアへの渡航は避けましょう。

タンザニアの経済や社会、現地での消費者の生の声は、以下の記事もご覧ください!

●関連記事:「【2025年版】アフリカビジネス注目国「タンザニア」
●関連記事:動画サービス利用調査(ケニア・タンザニア1,131人)ファッション・服装意識調査

アフリカ諸国の治安ランキングは、別の記事で紹介しております。

●関連記事:「アフリカ治安ランキングを紹介!アフリカビジネス進出に向けての注意点3選も説明

アフリカに安全に渡航するための対策チェックリスト

最後に、アフリカで安全に過ごすための対策を、チェックリストの形で整理しておきましょう。

この記事では、出張前に仕上げる5つの準備と、現地で身を守る7つの行動ルールを解説します。出発までの残り日数に合わせて、できるところから一つずつ着手してみてください。

渡航前に済ませておくべき5つの準備

アフリカへの旅行や出張を安全に終えられるかどうかは、出発前の準備でその大半が決まります。

アフリカへの渡航が決まったら済ませておくべき5つの準備を、順に紹介しましょう。

①外務省「たびレジ」に登録する
②海外旅行保険に加入する(特に医療搬送特約)
③予防接種や予防薬を準備する
④持ち物の安全対策を整える
⑤緊急連絡体制を整える

①外務省「たびレジ」に登録する

外務省の無料サービス「たびレジ」に旅程を登録すると、渡航先における最新の安全情報がメールで届きます。たびレジからは

・テロやデモに関する情報
・自然災害や感染症などの注意喚起

などが、現地の日本大使館を通じて発信されます。緊急時には在外公館からの連絡を受け取れる仕組みです。短い期間の滞在であっても、たびレジには必ず登録しておきましょう。

②海外旅行保険に加入する(特に医療搬送特約)

アフリカへ渡航する前に、海外旅行保険に入っておきましょう。

日本とは違って海外の医療機関にかかると、費用はまるまる自己負担です。民間保険に入っていないと、とても高額な医療費を請求されてしまいます。

特にアフリカでは、高度な医療施設が限られた地域にしかありません。重症だと近隣国への医療搬送が必要になる場合もあります。一般的な海外旅行保険に加えて、「緊急医療搬送特約」が付いているプランを選びましょう。クレジットカードの付帯保険だけではカバーできない場合が多いです。

③予防接種や予防薬を準備する

マラリアなど感染症のリスクが高い地域へ渡航する場合は、予防接種や予防薬を準備しておきましょう。

特に黄熱病は、入国時にイエローカードの提示を求められる国もあるため、渡航の10日以上前に接種することが必要です。狂犬病やB型肝炎など、複数回の接種が必要なワクチンもあります。渡航が決まった時点で、クリニックの予約をとりましょう。

弊社社員がタンザニアを訪れた際にも「予防接種は一定の間隔をあけて打たなければいけないものもあるので、早めに計画するのをおすすめします」と語っていました。

④持ち物の安全対策を整える

スリやひったくりなど街頭犯罪の被害をできるだけ小さくするには、持ち物をきちんと管理しておくのが重要です。

現金、カード、パスポートは一ヶ所にまとめず、複数の場所に分けて持ち歩くようにします。スキミング防止機能付きのパスポートケースや、肌に密着させて身につけるポーチなどがあると安心です。

現地では、eSIMやSIMカードと大容量モバイルバッテリーを用意しておきましょう。ネットに接続できず、配車・地図アプリが使えないと現地で大きなリスクになります。

⑤緊急連絡体制を整える

緊急時の現地における連絡先を整備しておきましょう。例えば、

・現地の日本大使館・総領事館の連絡先
・加入した海外旅行保険のアシスタンスデスク
・クレジットカードを紛失したときの国際フリーダイヤル

を、紙のメモやスマホのメモ帳アプリで持ち歩きます。

家族・勤務先との定期的な連絡ルールも事前に決めておきましょう。「毎朝9時に無事をメッセージで報告する」などと具体的に決めておけば安心です。

万一連絡が途絶えた際の初動が早まり、家族や同僚の安心にもつながります。

現地で身を守るための安全行動ルール7選

渡航前の準備が整ったら、次は現地での行動ルールを確認しておきましょう。日本国内と同じ感覚で過ごすと、被害に遭いやすくなってしまいます。以下の7つのポイントを、出発前に共有しておきましょう。

①移動は信頼できる交通手段に限定する

現地での移動は、信頼できる交通手段だけを使いましょう。タクシーに乗る際は、ホテルに手配してもらうか、Uberなどの配車アプリを使うのがおすすめです。

空港付近や路上で客引きをしているタクシー、地元民向けの乗合バスなどは、整備不良や犯罪のリスクがあります。できる限り避けてください。

②夜間あるいは単独での外出を避ける

アフリカで過ごす間は、夜に出歩いたり、昼間でもひとりで移動したりするのは避けるべきです。

アフリカにおいて多くの都市では、日没後の徒歩移動そのものがリスクです。どうしても夜間に外出が必要な場合は、どれだけ近くでも車で移動するのを徹底します。会食や商談後であれば、車を直接つけてもらうといった工夫も大切です。

また昼間であっても、ひとりで外を出歩くのは控える方がよいです。路上犯罪に巻き込まれるリスクが高まります。

③高価な装飾品やスマートフォンを見せない

外出する際は、高価な装飾品は身につけず、スマートフォンなどの電子製品もできるだけ見せないようにしましょう。

高級時計や派手なアクセサリーをつけていると、お金を持っていそうな外国人とみなされ、強盗の標的になりやすいです。服装は現地になじむカジュアルなものを選びます。スマートフォンも、路上で長時間使わないようにしましょう。

④ATMは銀行の建物内やホテル内のものを使う

キャッシングや両替でATMを使う際は、銀行やホテルの中など、外国人でも安心して利用できる場所にしましょう。

路上にある独立型ATMには、スキミング装置が仕掛けられている可能性があります。情報を盗まれると、カードを不正利用され、組織犯罪に巻き込まれてしまうかもしれません。

ATMを使う際は、銀行の店舗内やホテルのロビーに設置された設備を選びます。安全な場所であっても、暗証番号を入力するときは、反対の手でキーパッドを覆う習慣を身につけましょう。

⑤写真撮影のルールを守る

海外で生活する際は、日本にいるとき以上に、写真撮影のルールに気を払いましょう。

多くのアフリカ諸国で、軍施設・警察署・空港・政府機関・橋梁などの撮影は、法律により禁止されています。違反するとカメラを没収され、拘束される可能性もあります。注意看板や現地スタッフの指示に必ずしたがいましょう。

現地で生活する人も、無断で撮影するのは避けるべきです。どうしても撮影の必要があるならば、トラブルを避けるため、一声かけて許可をとっておきます。

⑥水・食事に気をつけ、体調管理のマイルールを決めておく

アフリカで体調を崩すのは、水や食事がきっかけになるケースも多いです。体調を管理するためのマイルールを決めておきましょう。

水道水はたとえ煮沸しても飲用には適さない地域が多く、口にするのは避けます。ミネラルウォーターを飲むようにしましょう。氷入りの飲み物や生野菜、カットフルーツも信頼できるレストラン・ホテル以外では避けましょう。

体調不良になったら、事前に調べておいた現地医療機関や、海外旅行保険のアシスタンスデスクにすぐ連絡できる体制にしておきましょう。

⑦現地の信頼できるパートナーやガイドとつながりを持つ

現地におけるビジネスパートナー、ガイド、ドライバーなど、信頼できる人脈を事前に確保しておくことが最大の安全対策になります。

彼らは治安情勢の変化やデモの予兆、交通状況などの一次情報を持っています。外務省の公式発表より早く危険を察知できる場合も多いです。

日系進出企業のネットワークや、現地日本人会などを通じて、出張前にコネクションを作っておくと心強いです。

短期間の滞在ではなく、アフリカで駐在となることが決まったら、さまざまな準備が必要です。下の関連記事で、何から準備すればよいか分かりやすく紹介しております。

●関連記事:「アフリカへの長期駐在|何から準備すれば?生活費・治安・出発前チェックを解説

まとめ

「アフリカはどこも危険」というわけではありません。この記事で紹介したとおり、エジプト、南アフリカ、ケニア、ナイジェリア、タンザニアの5か国いずれも、地域ごとに治安を見極めることが重要です。

そのうえで、渡航前の5つの準備と現地での7つの行動ルールを押さえれば、アフリカでのビジネス・視察を進められます。

2025年11月にタンザニア・ザンビア・ジンバブエを訪れた弊社社員も、「初めてのアフリカということもあり、かなり身構えていたけれど、意外となんとかなることが多いと感じた」と語っています。「ミネラルウォーターが手に入り、宿泊したホテルもとても綺麗だった」とも振り返っていました。

準備さえ整えれば、アフリカは過度に恐れる場所ではありません。むしろ、ビジネスチャンスに満ちた魅力的な市場です。

もちろん、各国の治安情勢は日々変わります。渡航の予定が具体的に決まったら、必ず外務省海外安全ホームページで最新の危険情報を確認しましょう。

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アフリカビジネスへの進出を検討する際に、現地の治安や社会に関する情報は欠かせません。成功を収めるための第一歩は、念入りな情報収集にあります。

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参照元:
Gov.UK「Foreign travel advice」
WHO 「Global Status Report on Road Safety 2023」
外務省「海外安全ホームページ 危険情報」
外務省「たびレジ」

アフリカビジネス事務局
アフリカビジネス事務局
BE FORWARDは、中古自動車の輸出販売をメインに、アフリカに関するビジネスを幅広く展開しています。 月間販売台数15,000台、アフリカをはじめ世界207の国・地域で商取引を行うグローバルカンパニーです。 越境ECサイトとしては、月間6,000万PV、ネット通販売上高ランキング国内第1位(2023年)。 創業20年、つねに前へとアフリカでのビジネスを切り拓いてきました。その経験と実績をもとに、アフリカビジネス進出を検討する上で役に立つ、アフリカ現地の最新情報をお届けします。

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