日曜日, 4月 20, 2025

アフリカ国際決済の最新トレンド情報

アフリカでのビジネス展開は顧客の信用情報調査や通関手続きなど様々な問題が起こりますが、アフリカに商品を輸出する際の大きな懸念は代金の受け取りではないでしょうか?アフリカからの国際決済は、銀行送金が主流ですが、Paypalやクレジットカードでの決済など選択肢が増えています。しかし着金に時間がかかる、手数料が高い、顧客が国際クレジットカードを持っていないなどの問題が発生する可能性があります。

そこで、今回は最近のアフリカ向け国際決済のトレンドをご紹介します。

アフリカでビジネスする際の懸念点は?

アフリカ諸国の国際決済方法は大きく3つに分けられます。1.銀行や両替商を利用した従来型。また、最近は法定通貨だけでなく仮想通貨取引もトレンドであり、2.法定通貨の決済プラットフォーム 3.ブロックチェーン技術を用いた仮想通貨取引プラットフォームのいずれかで取引されます。

1. 銀行や両替商を利用する方法


現地通貨を利用して外貨を送金する場合は銀行を利用した決済が主流です。しかし、ジンバブエやナイジェリアなどの外貨取得準備高の管理が厳しい国では、中央銀行が米ドルなどの主要通貨の出金に制限がかけられ手続きが煩雑でなかなか外貨が取得できず、着金まで1ヶ月かかることもあります。例えば、ナイジェリアの場合は銀行から外貨送金時に指定の紙の申し込み用紙を提出しますが、その他に請求書、財務諸表、登記文章等の書類の提出を求められることがあります。

そのように銀行送金は大変煩雑なため、両替商を利用する企業もあります。両替商を利用して、現地通貨から米ドルなどの通貨に両替し、銀行から送金します。海外送金も可能な両替商もあり、彼らは各地にいるパートナーの口座から受益者の口座に送金します。例えば、ガーナにいる中小企業が$1,000をUAEの受益者に送金したい場合は、まず現地の両替商にガーナ・セディを送金します。その後、UAEにいる両替商のパートナーが、受益者にUAE国内で送金します。しかし、この両替商を用いた方法はセキュリティが完全に確保されておらず、詐欺業者と取引をしてしまうと両替商に送金したものの受益者に着金しない場合もあります。

2. 法定通貨のオンラインプラットフォーム


そうした既存の国際決済の問題を解決するオンラインプラットフォームがアフリカ域内では昨今乱立しています。例えば、DPO Payment は2006年に設立した老舗の国際決済プラットフォームがあります。DPO Paymentはケニアに本社を置き、現在エチオピアやコンゴ民主共和国を含むアフリカの20カ国以上からの入金が可能です。越境EC向けの決済プラグインを提供しており、APIで連携することにより自社のECサイトでアフリカ諸国からの入金ができUSD等の通貨で着金が可能です。他にも筆者が関わるKlashaなどもありますが、それぞれ手数料や対応可能な国、通貨などが異なります。

3. ブロックチェーン技術を利用した仮想通貨のオンラインプラットフォーム

ナイジェリアやジンバブエのような法定通貨のボラティリティが高く、国民の法定通貨への信頼が低い国では仮想通貨の取引量が増加傾向にあり、ビットコインやイーサリアムをはじめとした仮想通貨を利用した国際決済プラットフォームの人気も高まってきています。例えば、Aza Finance(元Bitpesa)が挙げられます。Aza Financeは2013年にケニアで設立し、現在アフリカ域内ではガーナ・セディやモロッコ・ディルハム、南アフリカランドなど7カ国の現地通貨から入金・着金が可能です。Wiseのように、プラットフォーム上で受益者に送金したい金額を設定し、現地通貨で入金するとAza Financeが両替と送金をサポートします。ユーザインターフェース上では法定通貨が利用されていますが、多国間の送金に仮想通貨を用いて銀行送金時のような高い手数料や着金までの時間を抑えています。

他にもB2C向けの国際送金では、Bitsikaなどのサービスがあります。Bitsikaは2018年設立のガーナ発のスタートアップで、モバイルのアプリ上でユーザがUSDのバーチャルカードを作成でき、そのカードを利用して海外のECサイトでの決済ができたり、アプリ上で仮想通貨の購入ができます。

もっと詳しくアフリカビジネスを知りたい方へ

いかがでしたか?BE FORWARDでは中古車の販売だけでなく今までのノウハウを活かし日系企業様のアフリカ進出をサポートするマーケット・リサーチを行っています。独自のユーザベースを生かした調査も可能です。自社のビジネスのターゲットによって様々な決済方法が考えられますが、いまいちどのサービスがいいのかわからない、現地の情報を一度詳しく話を聞いてみたいといった場合には是非こちらからお問い合わせください!

青木 文
青木 文
ナイジェリア在住。ナイジェリアでSaaS事業の立ち上げ後、現在はフィンテック関連企業の事業開発に従事。

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