「現地からの視点~アフリカの商慣習」-ビィ・フォアードだけが知るリアルなアフリカビジネス-Vol.1

これまで当コラムでは、アフリカビジネスにおける弊社の強みを「物流」「集客力」「販路から物流までのトータルプロデュース」「人材」といった観点から伝えてきた。

今回はアフリカビジネスの最前線で活躍する二名の社員に、現地のリアルな事情を聞いてみる。一人は日本に魅せられ、東アフリカのマラウイ共和国から転職してきたアフリカ人。そしてもう一人は日々現地の公式エージェントの開拓と折衝を行うローカルマーケティングチーム所属の日本人である。国籍の異なるそれぞれの目線から見たアフリカを紹介していく。

<プロフィール紹介>
Tione Elisha Vitsitsi(セールスグループ)
2013年9月入社。東アフリカのマラウイ共和国出身。セールスチームのアシスタントから営業に昇格。毎月約1,000台の中古車を販売するマラウイ市場のセールスを現在2名で担当している。

土屋 敬(ローカルマーケティングチーム)
公式エージェントの新規開拓やマネジメント、現地でのマーケティングを主業務としている。

1.アフリカ人にとっての“BE FORWARD”


(写真:Tione Elisha Vitsitsi)

-Tioneさんが初めてビィ・フォアードを知ったのはどんなきっかけでしたか?

Tione: 最初は僕の同僚がBE FORWARD.JPで車を買ったことがきっかけでした。 まさかインターネットで車を買うだなんて僕には思いつきませんでしたが、同僚が「すごく簡単にシンプルにインターネットで車を買えるんだ」、と教えてくれて驚きました。

その後、僕自身もBE FORWARD.JP で車を二台買いました。その時はまだ日本のことをよく知らなかったので、まさか将来自分がそこで働くことになるなんて思いませんでしたが(笑)

-Tioneさんはどういった経緯でビィ・フォアードで働くことになったのでしょうか?

Tione:僕は最初はマラウイで社会人として仕事をしていたのですが、2013年にプライベートで日本へ旅行に来たのがきっかけです。その時にすごく日本のことが大好きになりました。出会う人々も親切で、何よりアフリカと違って治安が良く「なんて平和なんだろう」と感動しました。だから、どうしても日本で働きたいと思いました。

仕事探しはかなり大変でしたが、チャンスをくれたのがこの会社でした。最初はセールスアシスタントとして働き始め、今では営業として働いています。

-出身国であるマラウイやアフリカでは、ビィ・フォアードはどんなブランドとして認知されているのでしょうか?

Tione: そうですね、車を買おうと思う人はみんな知っていますし、大手の日系自動車企業と同じくらい有名かもしれません。ただ、どちらかと言うとトヨタや日産などは車の名前としては知られていますが、会社としてのイメージはあまりないですね。

それに対してビィ・フォアードは「確実に車を届けてくれる」という“信頼できるサービスを提供する会社”としてのイメージが強いです。アフリカの人々はビィ・フォアードに対する評価が高いので、BE FORWARD.JPが売る商品ということで信頼して興味を持つのだと思います。

2.文化圏の歴史的背景と取引相手国の傾向


(写真:右-土屋 敬)

-日本企業がアフリカ市場に進出する際、まず考慮した方がいいのはどんな点でしょうか?

土屋: 地域により状況が変わるということです。いくつかの要素があるのですが、 大きく分けると以下の6つになると思います。

①文化圏の違い
②経済の発展状況
③競合の参入状況
④物流事情
⑤通貨などの金融面
⑥政情不安といった治安や法改正のリスク

これらの要素はアフリカビジネスに参入するにあたって必ず考えた方がいい点です。

Tione:例えば(旧イギリス領か、あるいはフランス領かボルトガル領かといった)文化圏によって、アフリカ大陸の中でも車のハンドルの位置が変わります。北西地域は左ハンドル、東南地域は右ハンドルに分かれます。

イギリスは右ハンドル、その他のヨーロッパ地域は左ハンドルですから、それがそのままかつての植民地だったアフリカに影響しています。このため、北西地域の国々は左ハンドルのヨーロッパから車を買うのに対し、南アフリカや東アフリカは、日本などからの輸入が多くなる傾向にあります。北西地域は地理的にもヨーロッパが近くて輸入しやすいですね。

一方で洋服となると、 アフリカの文化としては欧米の影響を大きく受けています。人種や体格の違いといった側面もあるため、アジアから洋服は買わないですね。逆にテクノロジーや家電はアジアが強く、アジアから輸入されるものだとスマートフォンが多いです。

3.経済発展の差によって違う参入障壁

-経済の発展している国とそうでない国の違いも、地域性はあるのでしょうか?

Tione:国による経済格差は確かにありますね。経済発展のポイントとしては2つあります。1つめは資源をどれだけ持っているか。この違いによる国家間の経済格差は大きいですね。例えばナイジェリアは産油国なので、非常に栄えています。ボツワナもダイヤモンドが取れるので、ここもまた非常に発展している国です。

また、2つめは港を持っているかどうか。これも非常に大きい経済の要です。南アフリカやタンザニア、ケニア、ガーナには大きな港があり、エジプトはナイル川にも港があります。こういった地域には様々なビジネスが入ってきているので、経済的にも優位性を持っていますね。

でも、それ以外の大半の国はそういった優位性はないんです。僕の出身のマラウイやジンバブエ、ザンビアといった国も港がないので、他の国に輸入を頼らなければなりません。そうなると必然的に物価も上がってしまい、いくら経済を大きくしようと思っても限界があるのです。

経済の発展している国は道路などもすごく整備されていますが、そうでない国は貧しく、インフラが整っていない状況です。

-そうなると、日本企業がもしアフリカに参入するならば、資源や港を持っている国をターゲットにするのが正攻法なのでしょうか?

Tione:一概にそうとも言えないですね。資源や港のある国の方が経済が既に発展している分、世界中から様々な人たちがビジネスチャンスを求めて参入してきているので、競争が激しいです。そこは理解しておかないといけないですね。協力してくれるパートナーを見つけるのも比較的容易ですが、その分競争も激しいと思います。

土屋:あと僕が感じるのは、港のある国ほど物流の取引量が非常に多いのでその分賄賂もすごく横行しているということです。結局そうなると、賄賂を支払って関税額を抑えている競合相手に価格競争で勝つために、こちらとしても間接コストを極限まで抑えなければならないということが起こり得ます。そういったことは港の国に特に多いですね。

-なるほど、港の国だとそういったリスクが発生し得るわけですね。そうなると内陸国を狙う方が良いのでしょうか?

土屋: 内陸国の方がもちろん競争は少ないです。しかし今度は物流の問題が出てきます。商品を届けるための鉄道や道路、物流企業などインフラがない。どちらにしても一筋縄では行かない事情があるので、大切なのはそういった事情をしっかり把握してビジネスを設計することですね。

4.危険が多いからこそ、信頼が求められる

-アフリカのビジネスだと気になるのは政治情勢や金融不安といったカントリーリスクですが、こういった点はどう考慮しておくと良いのでしょうか?

Tione:金融危機だと最近ではジンバブエのハイパーインフレが記憶に新しいですね。 ハイパーインフレが起こった後に結局2015年に法定通貨がジンバブエドルから US ドルに変わったんです。そこでしばらくは US ドルを使っていたのですが、事前に準備して行われた措置ではなかったため国内のUSドルの流通が十分になく、紙幣が圧倒的に不足してしまいました。

-先進国ではなかなか起こらない事態ですね。政府はどのように対応したのでしょうか?

土屋: そこでジンバブエ政府は1ボンドノート=1USD、という換算で国債を発行し、さらに US ドルの国外への持ち出しを制限し始めました。銀行送金からハードキャッシュの持ち出し、 クレジットカードも対象でした。 1回800ドルとか1,000ドルまでといった制限をかけたのです。


(写真:廃止されたジンバブエ・ドル)

国内で使用する紙幣もボンドノートが中心となりました。最初は銀行でお金を下ろす時にUSドル10枚に対して1枚ボンドノートが混ざって出てくる程度だったのですが、最近ではほとんどがボンドノートで出て来ますね。

でもボンドノートの相場は、国の通貨への不信感から闇市場で下落しており、結局国際取引に使用できない。輸出しても代金が回収できないのであれば、国を跨いだ取引が難しいわけです。こういった部分も、アフリカでビジネスをする上でのリスクですね。

ちなみに弊社ではこの事件をきっかけに、ビットコインによる決済を導入しました。ただ最近のニュースで、今度は5月にまたジンバブエ中央銀行がビッドコインの取引を禁止し、取引所が閉鎖してしまったんですけどね。

-政治情勢や金融・財政状況がビジネスに与える影響は大きいですね。

土屋:国の与える影響は本当に大きいですね。法律もすぐに変わりますし。 政情不安が治安に与える影響もすごく大きいです。そうでなくても公式エージェントからは毎日のように何かしらのトラブルの報告が上がってきます。

例えば車を購入したお客様からしばらくして「故障が見つかった」と連絡があり、お客様が現地の公式エージェントオフィスまで警察を連れて乗り込んできたことがありました。その時僕が偶然日本から出張で行っていたんですが「今すぐ全額返金しなければ、警察を連れてきたから強制連行するぞ」と脅され、留置場に入れられそうになりました(笑)。結局そのお客様と警察はグルだったんですが、その時には全額リファンドを余儀なくされました。


(写真:南アフリカとモザンビークの国境にあるゲート通路)

他にも、南アフリカのエージェントがモザンビークの港まで車の引き取りに行った際、国境でモザンビークの入国審査官に入国のための賄賂を要求されたことがありました。 仕方がないので提示された費用を払うと、「違う、これじゃ足りない。片道だけじゃなくて往復だからダブルで今支払え」と理不尽なことを言われたそうです。

あまりにひどいので「そんなのナンセンスだ」と断って、片道分だけ払おうとしたところ、「じゃあ入れてやるが、お前が出国する時は命の保証はないから覚悟しろ」と脅され、結局彼は別のルートから帰って来たとのことでした。モザンビークはアフリカの中でも特に危険な地域として知られています。

-そういった出来事が日常茶飯事なんですね。いちいち動じていたら身が持たないですね。

土屋:現地の人たちは、新しいものに対してすごく警戒心を持つことが多いのですが、僕はその理由としてこういった治安の悪さや犯罪が横行している環境が背景にあるのではないかな、と感じます。

だから新しいビジネスを始める時に一番大事なことは、いかに現地の人からの信頼と評判を確立するかが課題だと思いますね。「みんなが知っているから大丈夫だろう」とか「友達がここの商品を使ったことがあると言っていたから大丈夫だろう」とか。そういったことが、ビジネスの成功を非常に大きく左右すると思います。

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