月曜日, 10月 14, 2024

アフリカ進出したいが、どうすれば良い?ー国ごとの違いによるパートナーの選定方法ー

アフリカでのビジネスを検討する際に、おそらく重要な意思決定として国の選定があるのではないでしょうか?アフリカビジネスといってもアフリカ大陸には56カ国あり、それぞれ文化も商習慣も異なるため、アフリカ域内に同じ商品を同じ方法で展開しようとしてもうまくいきません。たとえば、フランスのEdamという女性用の人気ランジェリーブランドは、西アフリカ地域のコートジボワールやカメルーンなどのフランス語圏の都市部のショップやローカルマーケットでも販売されていますが、同じ西アフリカで英語圏のナイジェリアでは全く見かけません。この場合は言語の壁が大きいですが、このようにアフリカ域内でも同じように商品が売れるわけではありません。

なので、アフリカでビジネスをしたいと考えた際に、各国の違いを理解した上で進出戦略を検討し、アフリカ大陸内の地域や国をターゲットする必要あるでしょう。しかし、実際は日系企業がアフリカに進出する際には現地に精通するパートナー次第で進出国が決定されることも多いようです。その際に、パートナー選びに苦戦する場合もあるようで、どのような人がパートナーとして適切なのかアフリカ主要国のビジネス環境の違いをもとに紹介します。

アフリカ諸国の経済市場規模の違い

まず、アフリカ諸国の名目GDPランキング*の上位6カ国をみてみると、2020年時点で下記ののような順位になっています。西アフリカではナイジェリア、東アフリカではケニア、北アフリカではエジプト、南部アフリカでは、南アフリカが各地域の一番大きな市場で、東アフリカのケニアと西アフリカのナイジェリアだけでも市場規模が約4倍違います。

  1. ナイジェリア:約4294億ドル(約47兆円)
  2. エジプト:約3632億ドル (約40兆円)
  3. 南アフリカ:約3353億ドル(約37兆円)
  4. アルジェリア:約1476億ドル(約16兆円)
  5. モロッコ:約1146億ドル(約13兆円)
  6. ケニア:約1024億ドル(約11兆円)

西アフリカ、東アフリカで最も市場規模の大きいナイジェリア、ケニアは昨今日系企業の進出も進んでおり、今後更に世界中から投資が見込まれる市場です。実際に日本から商品を輸出する際には、現地のディストリビューターやパートナーとのやりとりを中心に取引をする場合が多いですが、日本とは異なる商習慣やコミュニケーションに驚くこともあるでしょう。そこで、今回はナイジェリアとケニアの現地の企業と円滑に事業を進めるために、現地企業はどのような組織構造で、意思決定の特徴があるのでしょうか?

西アフリカのナイジェリア企業と東アフリカのケニア企業における組織構造、意思決定方法の違い

⑴西アフリカトップのナイジェリアーヒエラルキー型の組織構造。かつ、全員一致しないと物事は決定しない。

まず、西アフリカのナイジェリアに関してです。ナイジェリアの人口は約2億人。2021年時点で世界7位の人口規模です。そのため、一つの組織の人口も多く、20人から数千人以上の組織もあります。多くの場合、厳格な階層社会で成り立っている印象です。

例えば、ナイジェリアで貿易業者が集まる最大のマーケットにAlaba Marketというマーケットがあります。輸入業者と小売店が軒を連ね、その数はおそらく2万店舗ほど。Alabaマーケット内は、電子機器、くつ、服、家具などの商品カテゴリーごとに組合があり、各組合の中に約100から500件ほどの加盟店がいるそうです。組合は、President, Vice Presidentなどの役職があり複数の階層で組織されています。役職者からの承認を得ないと物事が進みませんが、一番偉いPresidentの承認だけでは不十分で、マネージャーなどの他の意思決定者からの合意を得る必要があります。そのため、そういった組合を通して販路を拡大する場合は特定の意思決定者だけへの提案ではなく、意思決定者全員への提案・合意が必要になり、意思決定に時間がかかる場合が多いです。

⑵東アフリカではケニアー各組織規模はナイジェリアに比べて小さく、ボスが最強。トップダウンで物事が決まる。

対して、東アフリカで最大のケニアはナイジェリアと比較して組織規模が小さく10人以下の組織も多く、基本的にトップダウンで物事が決定します。そのため、特定の意思決定者との合意ができれば比較的はやく意思決定が行われ、ものごとが進むことが多いようです。また、業種にもよりますが、歴史的背景から印僑が組織のトップに就くことが多く、ケニアにいながら、インド系のビジネスマンとの交渉事を進める必要がある場面も多いでしょう。

適切な現地パートナーはどう探す?

このように、国ごとに意思決定が違う傾向があるため、アフリカの現地企業とやりとりをする中で、なかなかものごとが進まないと思った際には、例えばナイジェリア企業の場合は意思決定者全員に根回しができてるか、ケニア企業の場合は一番偉い人から合意を得られているかなどに目を向けて見てはいかがでしょうか?また、日系企業がアフリカに進出する際には現地に精通するパートナーと一緒に事業推進することが多いですが、パートナーを探す際にその人が、そうした交渉ごとに対応できそうな人材かも検討したほうがよさそうです。

しかし、必要なパートナーとなるような人材を見つけるのは、日本に来ているアフリカ諸国出身の人材との出会いなど運的要素があり時間がかかる場合もあります。現在BE FORWARDでは、既存のユーザデータベースを活かし、マーケットリサーチや進出支援を行っております。ケニアやナイジェリアだけでなく、タンザニアやマラウィなども対応可能ですので、アフリカ進出したいが、適切なパートナーがいない、といったお悩みをお持ちでしたら是非こちらからお問い合わせください。

*2020年IMF統計を元に算出

青木 文
青木 文
ナイジェリア在住。ナイジェリアでSaaS事業の立ち上げ後、現在はフィンテック関連企業の事業開発に従事。

最新記事

<< PR >>spot_img
<< PR >>spot_img